Project/Area Number |
06J08560
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Ecology/Environment
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
種子田 春彦 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 乾燥適応 / 環孔材・散孔材 / エンボリズム / 葉の解剖学的特徴 / 通導度 / リフィリング / 国際研究者交流(アメリカ) / 通導コンダクタンス / 葉の発生 / 導管の発生 / 水利用効率 / 物質分配 / 形態形成の規範 |
Research Abstract |
1.乾燥環境下に生息する植物の葉の解剖学的特徴の観察 ユタ大学周辺に生えている自然植生の中の植物と植栽のそれぞれから、草本・木本までの十数種に関して葉の解剖学的な特徴を観察した。観察の結果、土壌の乾燥が強い場所に適用した植物の多くは多肉質で、葉の中には葉肉細胞が詰まった構造になっていた。一方、大気だけで乾燥を経験する植物の葉では、形態的に顕著な特徴が見られなかった。 2.環孔材と散孔材における水輸送戦略 樹木の材は、導管の配置や直径の特徴から環孔材と散孔材の2つに分けることができる。環孔材は生育期間の初期にだけ太い導管を作るのに対して、散孔材は生育期間を通して比較的細い導管を作る。これまでの研究から環孔材は、水が通りやすいのに対して導管内に空気が侵入して水輸送を妨げる、エンボリズムという現象が起こりやすく、逆に散孔材では、水の通導能力は低いのに対してエンボリズムに対する安全性は高いことがわかっている(Hacke, et. al.2006)。 アメリカ合衆国ユタ州の乾燥した山間部に生える環孔材を持つQuercus gambeliiと散孔材を持つAcer grandidentatumを使い、こうした傾向が野外の植物でも実際に起こっていることを確認した。特にQ.gambeliiの茎は昼には、最大時の10%程度しか水を流さなくなっていた。こうした環孔材を持つことの不利さを、Q.gambelii、1)深い根を持つ乾燥した季節でも安定な水分供給を維持する、2)水を流す面積に比べて葉をあまりつけないことによって、エンボリズム起きて通導能力が下がっていても枯死しない程度の水輸送を保つことができる、3)厳密な気孔の制御によって、大過剰の陰圧が木部に掛からないようにする、4)夜の間にエンボリズムで侵入した空気を水に再び溶かし込むことで茎の通導度が回復する、という性質によって克服していた。 樹木の材は、導管の配置や直径の特徴から環孔材と散孔材の2つに分けることができる。環孔材は生育期間の初期にだけ太い導管を作るのに対して、散孔材は生育期間を通して比較的細い導管を作る。これまでの研究から環孔材は、水が通りやすいのに対して導管内に空気が侵入して水輸送を妨げる、エンボリズムという現象が起こりやすく、逆に散孔材では、水の通導能力は低いのに対してエンボリズムに対する安全性は高いことがわかっている(Hacke, et. al.2006)。 アメリカ合衆国ユタ州の乾燥した山間部に生える環孔材を持つQuercus gambeliiと散孔材を持つAcer grandidentatumを使い、こうした傾向が野外の植物でも実際に起こっていることを確認した。特にQ.gambeliiの茎は昼には、最大時の10%程度しか水を流さなくなっていた。こうした環孔材を持つことの不利さを、Q.gambelii、1)深い根を持つ乾燥した季節でも安定な水分供給を維持する、2)水を流す面積に比べて葉をあまりつけないことによって、エンボリズム起きて通導能力が下がっていても枯死しない程度の水輸送を保つことができる、3)厳密な気孔の制御によって、大過剰の陰圧が木部に掛からないようにする、4)夜の間にエンボリズムで侵入した空気を水に再び溶かし込むことで茎の通導度が回復する、という性質によって克服していた。
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