新規dNTPaseの複雑な制御機構の解明とその生理学的意義への洞察
Project/Area Number |
06J08759
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
近藤 直幸 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | dNTP / HDドメイン |
Research Abstract |
高度好熱菌由dNTP triphosphohydrolase(Tt-dNrPase)は複雑な分子内制御機構と幅広い基質特異性を持ってdNTPの加水分解反応を触媒する。しかし、Tt-dNTPaseホモログの三次元構造は未だ明らかになっておらず、多様な分子機能に対する構造生物学的洞察は得られていなかった。本研究では、その分子機能を明らかにするために、Tt-dNTPaseのSe-Met置換体を作製し、SAD法を用いてX線結晶構造解析を行った。分解能2.2Åでの構造解析に成功し、Tt-dNTPaseは3回軸を持つ三量体リング2つが、境界面に2回軸を有して2つ連なった、ホモ六量体を形成していることが明らかになった。サブユニットは19個のαヘリックスから成り、その内部には活性部位のHDドメインと呼ばれる加水分解モチーフを含む6つのαヘリックスが存在した。高度に保存された残基に配位する金属イオンの位置と、HDドメインを持つ他のタンパク質の基質複合体構造との構造比較から、6つのαヘリックスの中心に活性部位が存在すると考えられる。その情報に基づいて活性部位にdNTPが結合したモデルを作成したところ、活性部位には核酸塩基を特異的に認識する残基はほとんど存在しなかったが、リン酸基を認識する残基は多数存在することが示唆された。一方、分子機能解析からはTt-dNTPaseは非天然dNTPを含む様々なdNTPを分解するが、dNDP, dNMPは分解しない結果が得られた。これらのことから、活性部位における基質認識には三リン酸の認識が重要であることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
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