水素の個体表面反応に関する第一原理量子ダイナミクス
Project/Area Number |
06J08856
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Thin film/Surface and interfacial physical properties
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
アルボレダ N (2007) Osaka University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
アルボレダ N. (2006) 大阪大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 量子ダイナミクス / 第一原理計算 / 密度汎関数理論 / 水素 / 白金 / 反応経路 / ポテンシャルエネルギー / 解離吸着 / カップルドチャンネル法 / 量子効果 / 表面反応 / ポテンシャルエネルギー表面 / 局面 / 振動補助吸着 |
Research Abstract |
今年度、私は燃料電池の活用に向けて、白金(Pt)の(111)表面と水素分子の相互作用に関する研究を継続して行いました。これまでの研究により、理想的なPt(111)表面上に水素分子が解離吸着する過程において、振動補助吸着が存在しないことを、カップルド・チャンネル法を用いた量子ダイナミクス計算を行うことで確かめました。また、同様の方法を利用して、燃料電池の動作温度下で、水素イオンが白金とナフィオンの界面を透過するには、量子効果が必要であることを示しました。この理由は、水素イオンのような質量の小さな粒子は、量子効果の一つであるトンネル効果により活性化障壁よりも小さな並進エネルギーでこの障壁を越える為であります。更に、このような透過過程における量子効果は、障壁の形状が非対称であれば、より強く表れることを示しました。次に、私は第一原理計算を用いて、Pt(111)表面上への水素分子の解離吸着過程における活性化障壁の水素分子の表面に対する配向依存性、および水素原子の吸着サイト依存性を調査しました。その結果、水素分子が表面に対して平行配向で、且つ、飛来する水素分子の重心位置が表面topサイトの延長線上にあり、二つの水素原子が表面hcpサイトとfccサイトに吸着した時が最も活性化障壁が低いことがわかりました。 今年度の研究では、より現実的な状況を考慮する為にPt(111)表面に欠陥がある場合の研究を行いました。密度汎関数理論に基づいた計算を用いて、空孔があるPt(111)表面上への水素分子の解離吸着過程の反応経路に沿ったポテンシャルエネルギーの形状を調査することにより、その空孔の効果について調べました。この結果から、Pt(111)表面の空孔は水素分子の解離吸着過程における活性化障壁を低くすることがわかりました。これは、空孔サイトの存在により表面上の反応性が向上した為であり、この空孔サイトはPt(111)表面上への水素分子の吸着過程に大きく影響していると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)