超臨界二酸化炭素中ならびにイオン性液体中における不斉光化学反応の研究
Project/Area Number |
06J08910
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西山 靖浩 Osaka University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 超臨界二酸化炭素 / 不斉光反応 / エントロピー / クラスタリング / エントレーナー |
Research Abstract |
本申請者のこれまでの研究により、超臨界二酸化炭素(scCO_2)が光不斉反応において有機溶媒よりも優れた反応媒体特性を有する可能性が示されてきた。さらに、scCO_2中における光不斉反応の圧力効果、ならびに温度効果を詳細に検討したところ、各温度における臨界密度を示す圧力付近で試薬であるアルコールのクラスタリング効果が大きく異なるために、有機溶媒中では観測されない特異な反応結果が観測された。これらのことから、scCO_2中の光不斉反応は、有機溶媒中ではほとんど制御できない密度という新たなエントロピー関連因子によって制御されることを明らかにしてきた。しかし、これまでの反応系では、CO_2自身のクラスタリング以上に、試薬であるアルコールのクラスタリングが反応に大きな影響を及ぼしていた。そこで、本年度はCO_2分子自体のクラスタリングが反応に及ぼす新たな知見を得るために、分子間反応で検討した反応機構と同様の機構で進行すると考えられる、分子内に水酸基を導入した基質を新たに合成し、その分子内環化反応を検討した。温度は一定にし、反応の圧力効果を検討すると、分子間反応と同様に臨界密度を境に特異な反応結果が観測されたことから、scCO_2特有のクラスタリング効果がscCO_2中の光不斉反応を制御していることが強く示唆された。しかしながら、CO_2のみでは有機溶媒中よりも低い選択性しか達成できなかったため、試薬とはなりえない有機溶媒をエントレーナー(補溶媒)として少量加えることで、エキシプレックス周りの微視的極性を制御して反応を検討したところ、臨界点近傍、超臨界状態共に、有機溶媒中よりも高い選択性を達成することができた。このことから、scCO_2中の光不斉反応においては、様々な基質を用いても、CO_2自身のクラスタリング、あるいはエントレーナーのクラスタリングをうまく利用することで、有機溶媒中よりも高い選択性を達成可能であることを明らかとした。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)