自閉症における自己理解及び社会的認知の発達メカニズムの解明と療育システムの開発
Project/Area Number |
06J09243
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Special needs education
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
菊池 哲平 Kyushu University, 大学院・人間環境学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2006 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 自閉症 / ダウン症 / 情動 / 自己 / 社会的認知 / 発達障害 / コミュニケーション / 表情 / 発達 / 保護者支援 |
Research Abstract |
今年度は昨年度に引き続き、情動及び自己理解に関する一連の実験的研究を行いながら、自閉症児及びダウン症児への発達支援実践を行った。実験的研究としては、知的障害を有する自閉性障害児の表情認知と認知プロフィールの関連に関する特徴を検討し、自閉性障害児の表情認知においては言語指示や視覚的系列化などの認知的能力が強く関与していることが示唆された。また、自閉性障害児に対する発達支援として情動共有及び自他関係の成立という視点から事例検討を行い、自閉症幼児が情動を活性化すること、及び自他の関係性の中でそれを共有することを目指す療育のあり方についての示唆が得られた。 また、ダウン症乳幼児に対する社会的認知の発達プロセスについて検討し、特に姿勢や移動運動と指さし理解・表出の関連について検討した。その結果、ダウン症乳幼児の指さし理解については座位獲得など主体的な三次元的姿勢の獲得が強く影響することが示唆されたが、一方で指さしの産出については立位や歩行などの姿勢・移動運動との関連性は見いだせなかった。したがって、社会的認知の発達プロセスについては、単に個人内での認知能力や身体的能力の発達だけではなく、特に表出的コミュニケーションに於いて、対人的関わりの経験の質の違いが強く影響することが示唆された。 上述した知見は、2007年の特殊教育学会において研究発表及び自主シンポジウムでの話題提供を行って報告した。多の研究者とのディスカッションの中で、情動発達が発達障害児者を支えるための重要な鍵概念であることを確認した。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)