Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
定性的パーマネンスという新しい行列のクラスを導入し,そのクラスと同値な条件を求めることにより,Lotka-Volterra方程式がパーマネンスになるための条件を与えた.特に,3種以下の系に関しては,対角成分が負(自己密度依存が存在する)という仮定の下で,定性的パーマネンス行列を完全に特徴付けることができた.さらに,一般次元の系に対しても応用可能な,定性的パーマネンスの必要条件および十分条件を与えた.これら結果はJournal of Mathematical Biology誌に掲載された.Lotka-Volterra方程式の研究で得られたこれらの知見を元に,Kolmogorov方程式と呼ばれる一般的な生態系モデルを解析した.特に,1種類の資源を巡る競争系や見かけの競争系のように,種間相互作用グラフが木構造となる場合に焦点を当てた.これらの場合,方程式のベクトル場の符号を反転させたものがP関数となる.そこで,このP関数の性質を利用し,飽和平衡点が唯一であることを示し,その唯一の飽和平衡点の分岐構造を解析した.飽和平衡点では,純粋な資源競争や捕食圧に対する耐性によって決まるランクの高い種から順番に正の値を持つことが分かった.つまり,たとえ資源競争や捕食圧が緩和され多種が共存可能になっても,共存できる順番は,純粋な資源競争や捕食圧に対する耐性によって決まるランクに大きく依存することを意味している.また,方程式がある種の凸性を持つとき,正平衡点の存在がシステムのパーマネンスを保証することを示した.
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