アポトーシスによる癌の増殖・転移の抑制と分子標的療法の開発
Project/Area Number |
06J09582
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional basic dentistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
川久保 友世 Kyushu University, 大学院・歯学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | カテプシンE / 癌 / アポトーシス |
Research Abstract |
本研究では、エンドリソソーム性アスパラギン酸プロテアーゼであるカテプシンEの発癌、および癌の増殖・転移における役割について解析を行った。 In vitroにおける解析では、前年度までに本酵素が正常細胞に影響を及ぼさず、癌細胞特異的アポトーシス誘導因子TRAILを介して癌細胞特異的にアポトーシスを誘導することを証明していたが、さらに種々の癌細胞(口腔癌、前立腺癌、白血病)においてその効果を検討した。また、カテプシンEによるアポトーシス誘導の癌細胞間の感受性の相違の分子機構を、TRAILと各種TRAIL受容体の発現量、およびアポトーシスシグナル伝達に関与する分子群の動態から解析を行った。その結果、カテプシンE誘導性アポトーシスへの感受性の相違が、本酵素によって癌細胞膜表面から遊離されるTRAILの量や癌細胞自身がもつTRAILデコイレセプター(OPG)の量によって生じることを明らかにした。 さらに、白血病細胞を用いた実験では、カテプシンEとの併用により、化学療法薬(エトポシド等)による増殖抑制、細胞死誘導効果が相乗的に効率化することを細胞レベルで確認した。 また、発癌における本酵素の役割を検討するため、カテプシンE欠損経産雌マウスに自然発症する乳腺癌の発症頻度、および組織型の詳細な検討を行い、その細胞の培養系への株化樹立を行った。 以上のことから、カテプシンEが発癌のステップ、および癌の増殖・転移のステップにおいて、負のコントロールをしていること、また本酵素の癌細胞増殖抑制効果・細胞死誘導効果について、カテプシンEに感受性の低い細胞種についても従来の化学療法薬と共に用いることにより、その抗癌効果を発現しうることを明らかにした。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)