ポジティブ感情とネガティブ感情が記憶にもたらす影響の違いとそのメカニズムの検討
Project/Area Number |
06J09647
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Experimental psychology
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
野畑 友恵 Kyushu University, 大学院・人間環境学研究院, 特別研究員DC1
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Project Period (FY) |
2006 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 感情 / 有効視野 / 再認記憶 / 慣れの効果 / 異質性 / 順向健忘 |
Research Abstract |
本研究の目的は,ポジティブ感情とネガティブ感情において形成される記憶にどのような違いがあるのかについて明らかにすることである。この問題に関して昨年度は,感情刺激観察中に処理できる視野の範囲(有効視野)についてポジティブ感情刺激とネガティブ感情刺激に違いがあることを明らかにした。さらに今年度では,有効視野の範囲と刺激の処理の深さの関係について検討し,ポジティブ感情刺激とネガティブ感情刺激における違いを明らかにした。実験では,実験参加者に画面中央を注視させ,感情刺激提示後に画面の四隅に提示される数字が検出できるかについて調べることによって,有効視野の変化を測定した。また,感情刺激に対する処理の程度は,偶発課題による再認成績を指標として用いた。 1.ネガティブ感情刺激に対する有効視野と刺激処理 ネガティブ感情刺激の観察時は,有効視野が狭めることによって処理範囲を狭くしていることが示唆された。また刺激の再認成績は高いことから,感情刺激の処理が促進されていることが示唆された。したがって,ネガティブ感情刺激は,処理範囲を狭め深く処理する方略がとられていると考えられた。 2.ポジティブ感情刺激に対する有効視野と刺激処理 ポジティブ感情刺激の観察時は,有効視野を狭めることはなく,処理範囲を制限することはなかった。また刺激の再認成績はネガティブ感情刺激より低く,処理されにくいことが示唆された。したがって,ポジティブ感情刺激は,処理範囲を制限せず浅く処理する方略がとられていると考えられた。 このような結果から,ポジティブ感情刺激とネガティブ感情刺激の処理では,異なる処理方略が用いられていることを明らかにした。
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Report
(3 results)
Research Products
(11 results)