Project/Area Number |
06J09786
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical properties of metals
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木村 耕輔 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2006 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 透過型電子顕微鏡 / トモグラフィー観察 / 規則ドメイン / 電子線トモグラフィー / 3次元形態解析 / 規則合金 |
Research Abstract |
近年、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いたナノメートルサイズの組織を有する物質の研究において、観察試料を傾斜して様々な方向からのTEM像を撮影して、得られた連続傾斜像から3次元の立体構造を再構成する電子線トモグラフィー法が広く活用されるようになってきている。本研究では、従来の電子線トモグラフィー法では観察が困難である規則合金試料を観察対象として、結晶方位、結晶回転軸を考慮した新規電子線トモグラフィー法による3次元組織解析を行った。昨年度は、本観察手法の確立を目的として、実験手法や画像再構築手法について理論計算やモデル組織を用いた検討を行い、さらに、Ni基合金の組織観察への応用によって、本手法の有用性を実証した。 理論計算による実験条件の検討では、多重散乱を考慮した動力学的回折理論に基づく回折強度計算を行い、連続傾斜暗視野像の撮影の際に起こりうる回折条件の変化とその影響を明らかにし、トモグラフィー観察とって有効なTEM像が得られる実験条件を明らかにした。また、球状の析出物を有するAl-Mg-Sc合金を観察対象として、試料傾斜範囲、試料傾斜ステップ、再構築演算方法をそれぞれ変えて再構成処理を行うことによって、虚像の影響を定量的に議論し、正確な3次元再構成像を得るために必要な条件と最適条件を明示した。 上記のような検討結果を基に、Ni-Mo、Ni-Al-Ti合金に本手法を適用し、いずれの試料についても規則ドメインの3次元形態観察に成功し、その規則化挙動について詳細な解析を行った。例えば、Ni-Mo合金中のD1_a型規則ドメイン組織について、熱処理条件の異なるNi_4Mo規則ドメイン組織についてTEM暗視野トモグラフィー解析を実行し、規則ドメインの発達の過程において、6種類ある結晶方位バリアントのうちc軸を同一とする2種類のバリアント同士が対になって局所化していくことを明らかにした。
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