超弦理論的宇宙進化論に基づく宇宙モデルの構築と、その観測可能性について
Project/Area Number |
06J09939
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Particle/Nuclear/Cosmic ray/Astro physics
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水野 俊太郎 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2008
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
|
Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2008: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | 宇宙論 / インフレーション / 超弦理論 / 宇宙背景輻射 / 宇宙物理 |
Research Abstract |
私は、今年度においては、主に超弦理論に基づいて提案されているDBIインフレーションモデルの妥当性についての研究を、主にそのモデルの生成する密度揺らぎ、その中でも特に観測の観点から着目されている非ガウス性に焦点を当てて遂行した。上記のインフレーションモデルは10次元の理論である超弦理論を4次元にコンパクト化した際に得られる6次元分の内部空間をDブレーンと呼ばれる物体が相対論的な速度で動くことによってインフレーションが生じるというものなのであるが、有効的な4次元スカラー場の理論で考えたときにスカラー場がゆっくり動いているわけでないにもかかわらずインフレーションが起きるので、大変興味深いモデルである。その特徴の一つとして、このモデルでは通常のインフレーションモデルよりも大きな密度揺らぎの非ガウス性を予言するというものがあり、これは低エネルギーでは決して見ることの出来ない超弦理論の証拠と成りうるものである。このような、興味深いモデルであるものの、従来の単純なDBIインフレーションモデルは、内部空間の体積が十分小さいという条件と生成する重力波の量があまり多くないという条件を同時に満たせなかったのに対し、我々は内部空間のうちの今まで考慮に入れていなかった方向の自由度も考慮にいれることにより、このモデルがまだ除外されていないことを示しか。 これは、まだこのモデルの初期条件などの自然さについては調べる必要があるが、超弦理論そのものの痕跡を宇宙モデルに基づく観測から得るという観点からは非常に意味のあるものと思われる。
|
Report
(3 results)
Research Products
(13 results)