Project/Area Number |
06J09976
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Ecology/Environment
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
若野 友一郎 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 同調伝達 / 環境変動 / Adaptive dynamics |
Research Abstract |
社会学習は、個体学習者が試行錯誤のコストを払って獲得した適応的行動を少ないコストで真似するという意味で、社会寄生行動の一種であると考えられる。社会学習の起源の問題は古くから議論されているものの、数理的な研究はまだそれほど多くはない。ヒトは社会学習を行う際に、単に集団中の個体をランダムに選んで模倣するのではなく、多数派の行動をより模倣すると言われている。このような行動は同調伝達と呼ばれ、文化の局所性の要因とした議論されてきた。しかしながら変動環境下においては、多数派の行動は必ずしも正しいとは限らないので、同調伝達をすること自体が適応的かどうかは、明らかではない。また、同調伝達の有無は社会学習の適応度を変化させるため、「同調伝達の強さ」と「社会学習への依存度」は、互いに影響を及ぼしあいながら共進化すると考えられる。Henrich&Boyd(1998)は、個体学習と社会学習を併用する個体を仮定し、2遺伝子座モデルを構築して数値計算することで、この2つは相乗的(synergistic)に働くと結論した。特に、環境変動の周期が長いほど「同調伝達の強さ」と「社会学習への依存度」はより大きい値に進化すると主張した。我々はこのモデルを多少修正した上で、Adaptive dynamicsを用いて解析し、次の結果を得た。 (1)環境変動の周期が長いほど、「社会学習への依存度」は大きくなる (2)環境変動の周期が長いほど、「同調伝達の強さ」は小さくなる このうち、(1)は先行研究の結果と一致するが、(2)はHenrich&Boyd(1998)とは逆の結果である。この違いは、より詳細な計算の結果、先行研究の数値計算が不十分であったことが原因であることも発見した。本研究により、伺調伝達と社会学習の進化は、相乗的ではなく、むしろ排他的に起こることが明らかとなった。 (2)環境変動の周期が長いほど、「同調伝達の強さ」は小さくなる このうち、(1)は先行研究の結果と一致するが、(2)はHenrich&Boyd(1998)とは逆の結果である。この違いは、より詳細な計算の結果、先行研究の数値計算が不十分であったことが原因であることも発見した。本研究により、伺調伝達と社会学習の進化は、相乗的ではなく、むしろ排他的に起こることが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)