逆遺伝学的手法による突然変異体の単離とクロロフィル分解制御機構の解明
Project/Area Number |
06J10006
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Breeding science
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 豊 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(SPD)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
Fiscal Year 2007: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
|
Keywords | イネ / 老化 / クロロフィル分解 / stay green |
Research Abstract |
イネのnyc1突然変異体では老化しても葉の黄化が起こらないstay greenを示す。イネゲノム中にはNYC1と相同性が高いNOLが存在し、NOLにおいてはin vitroでクロロフィルb還元酵素活性が検出されていた。nol突然変異体を3系統単離し表現型を解析した結果、nol突然変異体の表現型はnyc1突然変異体と酷似しており、老化時にクロロフィルbとクロロフィル結合タンパク質であるLHCIIの分解が顕著に抑制されていた。またLHCIIの分解抑制に伴いグラナの分解も抑制されていた。nolnyc1ニ重突然変異体はnol,nyc1突然変異体と表現型がほとんど変わらないことから、NYC1とNOLはクロロフィル分解の同じ経路で機能していると考えられた。NYC1は推定膜貫通領域を持つことから葉緑体のチラコイド膜に局在すると考えられるが、NOLは膜貫通領域を持たない。NOLとGFPの融合タンパク質をタマネギの表皮細胞で発現させたところ、NOLは葉緑体に局在することが明らかになり、さらにNOLを特異的に認識する抗体を用いた解析から、NOLがストロマ側のチラコイド膜に局在していることが示された。NYC1とNOLの直接的な相互作用を明らかにするためpull down実験を行ったところ、in vitroでNYC1とNOLの結合が確認された。これらのことから、NYC1とNOLはチラコイド膜に局在し、複合体を形成してクロロフィルb還元酵素として働くと考えられた。また、LHCIIの分解はクロロフィルb還元酵素によるクロロフィルbの分解が引き金になって起こるということが示唆された。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)