相対論的重イオン衝突反応ダイナミクスの統合的記述と超高温QCD物質の研究
Project/Area Number |
06J10104
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Particle/Nuclear/Cosmic ray/Astro physics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平野 哲文 東京大学, 大学院理学系研究科, 講師
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Project Period (FY) |
2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 相対論的重イオン衝突反応 / クォークグルーオンプラズマ / 相対論的流体力学 / ハドロンガス / チャーモニウム抑制 |
Research Abstract |
相対論的重イオン衝突反応におけるクォークグルーオンプラズマ流体とハドロンガスの輸送的性質に注目し、研究を進めた。重イオン衝突反応は非常に複雑で、クォークグルーオンプラズマの流体的な振る舞いは、全体のダイナミクスのうちの一部分のため、流体力学が適用できるための必要条件である局所熱平衡へ向かう過程、及び、一旦適用された流体描像が崩れる運動学的領域のモデル化が必要となる。そのため、本来の目的のクォークグルーオンプラズマの熱的及び輸送的性質を理解をするためには、それを取り囲むハドロンの"雲"を詳しく理解することが肝要である。そこで、ハドロンの輸送現象に対して、ボルツマン方程式を適用し、いくつかの最終的に測定される物理量において、クォークグルーオンプラズマ流体の寄与とハドロンガスの寄与を分離することができた。また、ハドロンガス中でほとんど相互作用をしないと考えられている特殊な中間子(φ meson)については、クォークグルーオンプラズマ流体の直接的な寄与に近いことが分かった。現在、これらの結果について、論文にまとめているところである。 更に、研究課題の中心的なトピックの一つであった因果律を守るような相対論的粘性流体方程式についての情報収集を行った。 クォークグルーオンプラズマ流体の適用例の一つとしてチャーモニウム収量の抑制現象に適用し、チャーモニウムが溶解する温度を精度良く決めることができた。この結果は現在投稿中である。 また、多くの国際会議・研究会から招待講演の依頼を受け、これまでの研究成果と共に今年度行った新しい研究成果も一部発表をする機会に恵まれた。また、日本物理学会にも参加し発表を行った。(招待講演13、レビュー講演1、講演4)
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)