生物群集の再帰的な放散と絶滅における生態的要因の理論解析
Project/Area Number |
06J10112
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Ecology/Environment
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 洋 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2006 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥2,658,710 (Direct Cost: ¥2,658,710)
Fiscal Year 2009: ¥458,710 (Direct Cost: ¥458,710)
Fiscal Year 2008: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2007: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 種分化 / 進化的分岐 / 適応放散 / 適応動態 / 進化的分岐条件 / 生態系 / 共進化 / 食物網 / トレードオフ / 捕食被食相互作用 / 栄養段階 / 数値計算 / 理想自由分布 / 絶滅 / 進化動態 / 資源競争 / 適応 |
Research Abstract |
今年度は主に、他次元空間における進化的分岐現象の条件についての解析及び論文執筆を行った。研究計画では、この進化的分岐条件の解析結果をさらに発展させてプライス方程式に基づく記述として一般化する予定であったが、進化的分岐現象の最も強力な解析手法であるAdaptive Dynamics理論でさえも、1次元形質空間のみを対象としている。すなわち2次元以上の形質空間においては進化的分岐現象を記述しその決定論的性質を解析する手法が存在しないため、本研究ではまず、その記述手法と分析手法を考案する必要があった。本研究は、以下の手順により、多型存在下における適応度地形の数学的解析を行い、その適応度地形が、「実効的な平均野生型」が単独で存在する場合の適応度地形として表現可能であることを導いた。本研究では形質空間を適当に線形変換することで、存在する野生型同士の形質差異のベクトルが何れかの形質軸に平行になった状況を想定した。さらに本研究は、複数の野生型の存在は、何らかの形で、「実効的な平均野生型」に集約できると想定し、まず2型の場合における実効的平均野生型の導出に成功した。これは、各野生型の相手に対する侵入適応度を組み合わせることにより表現される。この表現手法をさらに任意の多型においても適用することに成功し、その一般式を漸化式の形で整えた。この漸化式を逐次計算することにより、正確な適応度地形を簡単に求めることができる。以上の解析結果により得られた他次元空間における進化的分岐条件を、新しく購入したパソコンにより数値的に計算された進化動態との比較により吟味し、好ましい結果を得た。現在は、それらの結果をまとめた論文を執筆中であるが、ほぼ完成し、近いうちに投稿できると考えられる。
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Report
(4 results)
Research Products
(6 results)