Project/Area Number |
06J10661
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Sociology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
立石 裕二 The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 科学社会学 / 環境社会学 / 長良川河口堰 / 化学物質過敏症 / シックハウス症候群 / 科学委託 / 批判的科学ネットワーク / 不確実性の消費 / 科学の自律性 / 科学技術社会論 |
Research Abstract |
環境問題において行政は科学者に調査研究を委託し、その成果を用いて政策決定を正当化することが多い(科学委託)。これに対し、運動側もしばしば協力する研究者を集めて主張を展開する(批判的科学ネットワーク)もまた今日では、環境科学の学術的研究を利用して環境運動が自らの主張を正当化するとともに、研究者の側も研究意義を説明するのに運動の主張を利用している(運動と科学の相互利用)。本研究ではこうした科学と社会の相互作用の諸相について、以下の3点を重視して分析を進めた。1)科学者の研究姿勢を善悪の二分法で捉えず、研究者の動機づけや科学の自律性に着目すること。2)意思決定が下される場での科学知・科学者の役割だけでなく、そこで使われる科学知の生産局面(専門分野の構造、科学知の動的変化、制度化など)をも分析対象とすること。3)科学と結びつく「社会」を一枚岩で捉えず、行政・社会運動などが、それぞれ固有の形で科学と相互作用していると捉えること。 「長良川河口堰問題における科学と社会の相互作用」では、行政・運動と科学との関係の違いに応じて、専門分野ごとに探求型/外部批判型/課題提起型/すれ違い型という4つの異なる科学的対立、科学-社会間相互作用の形態が見られた。「環境問題における運動目的と研究課題のずれ」では、化学物質過敏症・シックハウス症候群に取り組む研究者をコレスポンデンス分析で6つに分けた上で、各グループの研究課題と運動目的の不確実性を媒介にした相互利用、両者のずれ、ずれをもたらす科学側、運動側の構造、ずれの社会的意味を分析した。12月に提出した博士学位申請論文では事例分析で得られた知見を統合し、発展させる理論枠組を提示した。また、現代日本においてどんな環境問題が重視されるか、それと回答者の年齢・科学技術への信頼などとがどう関連しているかについて、アンケート調査の計量的分析をおこなった。
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