Project/Area Number |
06J10728
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics 1
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
南野 彰宏 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 暗黒物質 / キセノン / ニュートラリーノ / 超対称性理論 / 液体キセノン / 神岡地下実験施設 / WIMPs / XMASS |
Research Abstract |
最近の宇宙観測の発展により、宇宙の全エネルギーの約30%が物質のエネルギーで、その約80%が暗黒物質であることが明らかになった。その暗黒物質の正体はいまだ謎であるが、超対称性理論で存在が予言されるニュートラリーノが有力視されている。ニュートラリーノは原子核と弱い相互作用を通じて弾性散乱すると理論で予言されており、この散乱された原子核を測定することによりニュートラリーノを直接探索することが可能である。 XMASSコラボレーションはこの暗黒物質としてのニュートラリーノの直接探索を目的に液体キセノン検出器の開発を行っており、現在神岡地下実験施設で800kgの液体キセノンを使った-相式液体キセノン検出器の建設を進めている。この検出器を用いれば、現在達成されている感度を約2桁程度向上させて暗黒物質としてのニュートラリーノ探索が行える。 本研究で私は、液体キセノンの特性測定および-相式検出器の性能を確認することを目的にプロトタイプ検出器の開発を神岡地下実験室で行い、800kg液体キセノン検出器は期待の感度で暗黒物質探索を行えることを実証した。そしてプロトタイプ検出器にできる限りの改良を行い、約1ケ月間の暗黒物質探索を行った。暗黒物質の信号を見つけることはできなかったが、ニュートラリーノと陽子の散乱断面積に対して、相互作用がスピンに依存しない場合は1.70×10^<-5>pb(M_x=62GeV/c^2)、相互作用がスピンに依存する場合は6.74pb(M_x=60GeV/c^2)という制限をつけ、期待された感度に近い結果を得た。以上の結果を博士論文にまとめ、東京大学理学系研究科研究奨励賞を受賞した。現在本研究の内容を論文にまとめている。
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