Project/Area Number |
06J10878
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Plant nutrition/Soil science
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三輪 京子 The University of Tokyo, 生物生産工学研究センター, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | シロイヌナズナ / ホウ素 / 植物無機栄養 / トランスポーター / タンパク質分解 / 細胞内極性 / 環境ストレス耐性 / 形質転換 / 環境応答 / 変異株 / スクリーニング |
Research Abstract |
ホウ素は植物にとって必須であり、かつ高濃度に存在すると毒性を示す。シロイヌナズナBOR1は細胞膜に局在する排出型ホウ素輸送体をコードし、ホウ素欠乏環境下で根から地上部への生育に必要なホウ素の効率的な輸送に働く。BOR1はホウ素欠乏条件では細胞膜に蓄積するが、ホウ素濃度が高い環境では転写後制御により、エンドサイトーシスを介して分解を受け、蓄積しない。BOR1の蓄積制御に関与する分子の同定を通じて、植物の必須元素(ホウ素).を感知する分子のはじめての単離を目指した。ホウ素欠乏条件下でBOR1が蓄積しない変異株とホウ素十分条件においてもBOR1が蓄積する変異株を単離し、原因遺伝子の同定を試みた。単離された変異株3ラインでは新規の遺伝子座に原因となる変異が存在すると推測され、植物のホウ素栄養に応じた制御に関わる新規分子の同定が期待された。 加えて、シロイヌナズナに存在するBOR1相同タンパクのうち、BOR4はBOR1の場合とは異なり、環境中のホウ素濃度に関わらず高蓄積することを見出した。配列比較から、BOR1の分解に必要なアミノ酸残基の候補特定に有用な情報を与える結果となった。BOR4過剰発現シロイヌナズナを作出したところ、植物に毒性を示す高濃度のホウ素に耐性を示すことが分かった。半乾燥地を中心に世界に存在するホウ素過剰土壌では農業生産の低下が報告され、作物で品種改良が試みられてきた。本研究により植物にホウ素過剃耐性を付与する遺伝子が初めて同定され、世界で初めてホウ素過剰耐性植物の作出に成功した。同時に、BOR4タンパクが、根の遠心側(土壌側)細胞膜に極性をもつ性質を見出した。BOR4の遠心側への極性はホウ素の効率的な体外への排出に役立つと考えられる。 シロイヌナズナBOR1とBOR4は環境中の栄養条件に依存した分解制御と細胞内極性という二点から対照的な性質を持つことが示され、研究のモデル分子となることが期待される。
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