Project/Area Number |
06J10909
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General fisheries
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黒木 真理 The University of Tokyo, 海洋研究所, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2007
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 回遊生態 / 仔魚 / 初期生活史 / ウナギ / レプトセファルス / 回遊進化 / 産卵生態 / 魚類生態学 / 回遊 / 耳石 / 脂肪酸組成 |
Research Abstract |
1.平成19年8月3日〜19日、19年9月1日〜15日、学術研究船白鳳丸を用いて西部北太平洋のマリアナ西方海域において、Anguilla marmorataの調査を実施した。mtDNAI6SrRNA遺伝子に基づく種同定の結果、プレレプトセファルスを含む計33個体(4.3-27.6mmTL)が採集された。これにより、本種がA.japonicaと同じ海域に産卵場を持つととが初めて明らかとなった。 2,近年急速に発展している人工飼育技術により艀化・飼育されたウナギ仔魚について、各水温区(15,20,25,30℃)における変態過程の形態学的変化の記載ならびに耳石輪紋形成の観察を行った。その結果、生存率と変態成功率が最も高かったのは、25,30℃の高温区であった。耳石輪幅は、実験中に変態完了した個体(26〜ll2μm)は変態しなかった個体(3〜21μm)に比べて、有意に大きくなっていることを確認した。また、これらの耳石Sr/Ca比が減少していることも同時に確認し、耳石の輪幅増大とそれと同期するSr/Ca比の減少は変態開始に伴って起こることが示された。 3.アイスランドに加入したAnguilla anguillaとA.rostrataの耳石から変態・接岸日齢の推定を行ったところ、種や年度による有意差は認められなかった(接岸日齢はそれぞれ336.6±41.7,319.3±36.0日)。これらの日齢はアメリカ東部に接岸するA.anguillaとヨーロッパに接岸するA.anguillaの中間にあることがわかり、変態のタイミングが両種の接岸場所と地理的分布に重要な役割を果たしていることが示唆された。この結果は、温帯ウナギだけでなく熱帯に生息するウナギ属魚類でも認められており、ウナギ属魚類に共通しているものと考えられた。本研究で得られた回遊規模と初期生活史、地理分布を併せた考察と、これに基づく回遊進化に関する仮説は、ウナギ属魚類のみならず、回遊する魚類のモデル研究として位置づけられる。
|