Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本年度は,(1)農村の男女共同参画の進展の地域差,(2)農業経営における経営参画を規定する要因,(3)社会参画を規定する要因の課題に取り組んだ。 (1)全国規模の市町村アンケート調査データから,男女共同参画指標の女性比率と地域特性の相関分析を行った。経営参画については,専業農家率が高く,女性の農業就業者が多く,果実,花卉生産の盛んである地域では,女性農業経営者が多い。一方で,農業所得が高く,水稲地域では,女性経営者は少ない。社会参画については,都市的地域では女性の市議会議員は多く,また人口が少なく,高齢化・農家・専業農家率が高く,農業所得が低い地域では女性の農業委員が多いことが明らかになった。 (2)(3)栃木市において,農業関係組織の所属会員を対象としたアンケート調査を実施。夫婦それぞれが回答する調査票から,農業経営の意思決定の参画,農業関連組織活動への役職経験等の実態を把握した。本調査の農業経営における具体的な意思決定内容から把握した女性の経営参画をみると,施設野菜専業農家や米麦高齢農家では,女性の参画も進んでいた。一方で,長男後継ぎ農家では,女性の経営参画は進展していなかった。また,社会参画については,男性の揚合,高齢者で,兼業農家地域に居住する人が市議会議員や農業委員に就任し,女性の揚合,農業従事日数の少ない女性が市議会議員や農業委員に就任し,男女で役職経験者に違いがあった。そして,これまで農業委員に就任した女性に対して,地区内での選出のあり方や登用された経緯について聞き取り調査をし,女性農業委員の選出の困難性や今後の課題を把握した。 研究成果は,栃木市に「栃木市農業・農村における男女共同参画に関するアンケート調査結果報告書」を提出した。その他の成果は,学会報告や学会誌への投稿を予定している。日本農業経済学会論文集に「複合経営における夫婦間の部門分担」の論文が掲載された。
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