Project/Area Number |
06J11073
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小西 英之 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | アリル化反応 / 1価インジウム触媒 / アリルホウ素求核剤 / N-アシルヒドラゾン / α撰択性 / anti撰択性 / 不斉アリル化 / アミノメチル化反応 / 古典的Mannich反応 / 白金錯体 / β-ケトエステル / アンモニア / ホルムアルデヒド |
Research Abstract |
筆者は本研究において、中性配位型有機触媒(NCO)を用いる効率的な反応系の構築を目的とし、すでに開発した反応におけるNCO当量の低減化ならびに新規反応の探索を行ったが、残念ながら顕著な進展は見られなかった。しかし、筆者は低原子価インジウム触媒を用いるN-アシルヒドラゾンの位置及び立体選択的反応の開発を行い、有用な知見を得ることができた。 イミン類のアリル化反応は、種々の医薬や合成中間体として頻繁に用いられるホモアリルアミンを直接的に与える重要な反応である。筆者はイミン類として簡便に調整可能で安定に用いることのできるN-アシルヒドラゾンを、アリル化剤としてα位に置換基を有するアリルボロネートを用い、1 価インジウム触媒を用いるアリル化反応の検討を行った結果、広範な基質に対して高α選択性ならびに高anti選択性をもって反応が進行し、目的のホモアリルヒドラジドが高収率で得られることを見出した。本反応はアリルホウ素求核剤を用いてα付加を行う数少ない例の1つであり、学術的にも興味深い。また、本反応において添加するアルコールの種類により反応速度の向上およびジアステレオ選択性の変化が観測されることから、アルコール類は中性配位型触媒のような機能を有していると言える。 続いて、本反応をエナンチオ選択的な反応に発展すべく、種々の検討を行った結果、市販の光学活性配位子用いて最高95%ee にて不斉アリル化反応が実現可能であることを見出した。本反応は触媒量の 1 価インジウムを用いる不斉反応の初の例であり、現在さらなる反応条件の最適化ならびに基質一般性の拡大の検討を行っている。 また、昨年度行った白金触媒を用いる活性水素化合物のアミノメチル化反応の開発研究において、これまでは本反応が適用できなかった基質についても反応が進行するようになり、過剰反応を防ぎつつ良好な収率で目的のモノアミノメチル化体が選択的に得られることを見出した。
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