Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
1.多様体上でのシュレーディンガー方程式 シュレーディンガー時間推進作用素による伝播速度は無限大である.それゆえ超局所的特異性を考察するうえでは,通常の波面集合だけでは不十分であり,無限遠方での増大度も合わせた形で特異性を考えなければならない.中村周教授(東京大学)は,遠方での増大度を自由系の時間推進作用素で再び元の波面集合型特異性に戻すというアイデアを用いて漸近的ユークリッド空間において時間推進作用素の特異性について研究した(2003年).しかしこのアイデアは多様体上ではある意味であまり有効ではない.この問題を,動径方向と方位角方向を完全に分離する新しい自由系を導入することにより回避し,散乱多様体上において特異性をとらえることに成功した.またさらに有限時間の波動作用素が,フーリエ積分作用素になることも得られた.これに続き,散乱多様体上でも適当なポテンシャル条件のもとで波動作用素の存在および完全性を証明することに成功した.すると上と同様の方法で(無限時間の)波動作用素がフーリエ積分作用素であることが分かる.さらに散乱作用素のフーリエ変換が,運動量の同位角成分が0となる部分の近くを除いて,フーリエ積分作用素になることも分かった. 2.エルミート固有関数の多重積積分評価 調和振動子ポテンシャルを持つシュレーディンガー作用素の固有関数の多重積積分を評価し,非線形問題に応用した.時間推進作用素をフーリエ積分作用素型の作用素で近似することで多重積積分を評価するのであるが,その際,コンパクト多様体上のラプラシアンの固有関数の場合と異なり,相関数を定義できない領域が相空間上に現れる.ここでは空間方向と運動量方向を等価にみることで,パラメトリックスを二つの部分に分けて議論し,結果を得ることに成功した.
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