神経ペプチドによる、前胸腺を介した昆虫の脱皮・変態統御機構の解明
Project/Area Number |
06J11172
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied entomology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山中 直岐 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 昆虫 / エクジソン / 前胸腺 / カイコ / 神経ペプチド / 受容体 / 幼若ホルモン / アラトトロピン |
Research Abstract |
平成19年度は、前年度の成果を元に、カイコ前胸腺およびアラタ体に発現するGタンパク質共役型神経ペプチド受容体(神経ペプチドGPCR)のリガンドの同定とそれらの機能解析を進めた。 前年度に同定した、前胸腺に発現する2種類の新規神経ペプチドGPCRのうちの1つは、これまで受容体が明らかにされていなかった前胸腺抑制ペプチドの受容体であることを突き止めた。さらに、時系列に沿ってこの受容体の前胸腺での発現パターンを詳細に検討した結果、他の前胸腺抑制因子であるmyosuppressinの受容体とは異なる発現パターンを有することを見出し、これら複数の抑制因子が個体成長の異なる時期に前胸腺に作用して、昆虫体液中における複雑なエクジソンの濃度変動を生み出している仕組みを明らかにした。 一方、前年度に同定したアラタ体・側心体に発現する神経ペプチドGPCRのリガンド同定を進めた結果、長い間待ち望まれていたアラトトロピン受容体の同定に成功した。さらにアラタ体・側心体における詳細な発現解析を行った結果、意外なことに、このアラトトロピン受容体はアラタ体ではなく、側心体において強く発現していることが明らかになった。この事実を元に、アラトトロピンは実は側心体を介して間接的にアラタ体に作用している、という仮説を立て、実際に側心体のアラトトロピン受容体発現細胞にて産生され、アラタ体に直接作用してそのJH合成活性を調節する新規のペプチドを単離・精製することに成功した。 このように、2年間の研究は予想以上の成果を伴って順調に進展してきた。今後はこうした研究成果を元に、他のモデル生物を用いて研究の幅を広げ、昆虫の脱皮・変態統御機構のさらなる解明を進めていきたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)