海馬CA3領域特異的NMDA受容体欠損マウスでの痙攣発作亢進の原因解明
Project/Area Number |
06J11247
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General pharmacology
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福島 章顕 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2006 – 2008
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
|
Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 海馬 / 脳波 / AAV / ウイルス / 薬理 / NMDA受容体 / 海馬CA3領域 / 後過分極電流 / リカレントネットワーク / CA3 / 同期発火 |
Research Abstract |
本年度は成熟した脳のCA3領域のNMDA受容体を阻害し、てんかん発作の発症と海馬脳波への影響を検討した。 まず、海馬CA3野に存在するNMDA受容体を阻害するため、生後8-12週のマウスのCA3野に局所投与用のカニューレを用いてNMDA受容体の阻害剤を導入した。このマウスに、カイニン酸で誘発するてんかん発作を発症させたところ、有意に発症しやすくなっていることが明らかになった。 次に、海馬脳波への影響を検討するため、ウイルスによる遺伝子導入方法を確立した。これは、薬理実験で用いたカニューレによる物理的な脳への障害が、海馬脳波にノイズを加えるために、正確な脳波を検討できないためである。そこで、Cre組換え酵素をコードするアデノ随伴ウイルスを作成し、ガラス電極を用いて、生後8-12週のfGluRzlマウスのCA3領域に局所投与する。この際、40mmの先端をもつガラスピペットで、1mlのウイルスを0.016ml/minの流速で脳に投与すると、脳波に影響しないことを確認した。実際にCreが発現していることを免疫組織学的に確認し、さらに、Creによる遺伝子組み換えが生体内で生じているかどうかをNMDA受容体の免疫染色にて確認した。このように作成したウイルスによる遺伝子欠損マウスでは、海馬CA3領域の40-70%程度のNMDA受容体を欠損させることに成功した。このマウスの海馬脳波を検討したところ、EEGスパイクが生じていることが明らかになった。シリコンプローブを用いて海馬CA3領域の16点から同時記録し、電流源密度解析を行ったところ、EEGスパイクにおいて海馬CA3錐体細胞層上に吸い込みが認められた。この結果から、海馬CA3領域にEEGスパイクの起源があることが示唆された。以上により成熟した脳においてもNMDA受容体からのシグナリングが、海馬の自発発火の制御にも重要であることが明らかになった。
|
Report
(3 results)
Research Products
(3 results)
-
[Journal Article] Ablation of NMDA receptors enhances the excitability of hippocampal CA3 neurons2009
Author(s)
Fukushima F, Nakao K, Shinoe T, Fukaya M, Muramatsu S, Sakimura K, Kataoka H, Mori H, Hatanabe M, Manabe T, Mishina M
-
Journal Title
Related Report
Peer Reviewed
-
-