Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究は本年度が最終年度であり,これまで培った選択領域有機金属気相成長の反応速度論による知見を活かし,目的である(A1)InGaN系のモノリシック集積多波長発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)の作製を試みた. まず昨年度までの成果である2元系GaN,InNの気相拡散のパラメータの挙動を踏まえつつ,実際に可視領域のLEDに用いられるInGaNの気相-固層の組成関係や,選択成長におけるマスク周辺での膜厚・発光波長分布を調べた.その結果,特にGaNの気相における横方向拡散長が10mm程度と特徴的に小さく,GaN製膜種の面内濃度分布がInGaN選択成長に大きな影響を与えていることがわかった.またInGaN選択成長を行う際に,面内の発光波長集積幅を広げるために,最大240mmという広幅な選択成長を行おうとすると,選択成長マスク上へのGaN核形成が問題となることがわかった.この問題に対し,昨年度の本研究の成果であるInNの選択成長の選択性に対する知見を活かし,エッチング効果をもつH2を(In)GaN成長中に添加する手法を提案した.H2添加を行うことで,選択性の優れたInGaNの広幅選択成長に成功した. 最終的に気相拡散の知見を併せ,選択成長マスク・電極パターンを設計しLED構造を作製したところ,当初の目的であった,選択成長を用い,可視領域において連続的に発光波長を変化させた,モノリシック集積多波長発光素子を世界で始めて作成することに成功した.本研究の成果は近年照明用途に広く用いられつつある(A1)InGaN系のLEDに対し,発光スペクトラムを制御するために新しい自由度を与えるものであり,安価でありながら省エネルギー・環境負荷の観点から優れた新照明デバイスとしての応用が期待できるものである.
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