Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究課題は,人間の視覚における対象認知過程のメカニズムを明らかにすることを目的とした.前年度までの研究において,視覚システムは,対象認知を効率的に行うために,課題に対して注意を時空間的に最適化する(準備する)ことが明らかにされた.そして,この注意の最適化過程には,観察者の先行知識や課題に不必要な情報(妨害刺激や課題非関連刺激)の処理など,多くの認知的プロセスが関与していることがわかった. 本年度は,視覚システムにおける注意の最適化過程の時間特性に注目し,最適化された注意の状態がどのように維持されるのかを調べた.高速逐次視覚呈示課題を用いた実験の結果,課題に対して最適化された注意の状態は,オブジェクトの継続性に基づいて維持されることがわかった.この成果の一部は,国内の学会において発表され,成果の一部をまとめた論文は,Japanese Journal of Psychonomic Science誌に掲載された.また,注意の時間特性に関するこれまでの先行研究をまとめ,レビュー論文を執筆した,この論文は,心理学評諭誌に掲載された. 本研究において,人間の視覚における対象認知の時空間特性は,注意資源の多寡や注意の状態,オブジェクト性の知覚など,様々な要因に規定され碍ることが明らかにされた.この結果は,心理学や神経科学の分野でこれまでに提案された再帰的情報処理の考えを,新たな側面から支持するものであった.
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