Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2008: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
私はコンパクト多様体Mの同相写像全体のなす位相群H(M)について,その位相的性質を研究しているが,今年度はこれに関連して,局所有限グラフΓの自己同相写像全体のなす位相群H(Γ)およびその単位元の連結成分H_0(Γ)に対して或る方法で定義されるコンパクト化H^^-(Γ),H^^-_0(Γ)について考察した.Q=[-1,1]^Nをヒルベルト立方体,sをs=(-1,1)^Nで定義されるQの部分集合とする.この方面では,対(H^^-_0(I),H_0(I))が(Q,s)と同相であることが,酒井克郎および上原成功によって1997年にすでに知られていた.この結果をもとにして,私は対(H^^-_0(Γ),H_0(Γ))の位相型を,グラフΓのデータを用いで完全に記述することができた.この結果の系として,対(H^^-_0(Γ),H_0(Γ))が(Q,s)-多様体と呼ばれる「きれいな対」をなすための必要十分条件を知ることができた.これと対比すべき否定的結果として,2次元以上の多様体Mに対して対(H^^-_0(M),H_0(M))が決して(Q,s)-多様体には成り得ないことも証明できた.単位元連結成分に限定しない全同相群H(Γ)のコンパクト化については,その一般的記述を得ることは難しいと考えられる.しかし,Γが単純閉曲線S^1である場合については,コンパクト化H^^-(S^1)の位相型について興味深い結果が得られた.H^^-(S^1)はQ×S^1のコピー二個を,あるトーラスに沿って貼り合わせたものになるが,その貼り合わせ写像として,自明でないものが現れるのである.基本的対象であるS^1からこのような結果にたどり着くことは興味深い.以上の研究の過程で得られた手法は,多様体の同相群の位相的性質の解明に役立つものと考えている.
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