王朝物語享受資料のデータベース化と享受ネットワークの解明についての研究
Project/Area Number |
06J11733
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Japanese literature
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
小川 陽子 National Institute of Japanese Literature, 文学形成研究系, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2006 – 2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 中世王朝物語 / 物語目録 / データベース / 和学者 / 享受 / 文化圏 / 風葉和歌集 / 古注釈 / 書き入れ / 源氏物語 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続き、物語享受資料のデータベース化に向けての基礎作業期間として、1.各種物語の現存諸本、2.近世期成立の物語目録類、3.物語研究資料としての『風葉和歌集』を中心として資料の調査収集を行った。 多くの資料を調査し得たが、特に、2と3とを繋ぐ資料として、ノートルダム清心女子大学附属図書館黒川文庫所蔵『風葉和歌集』を見出したのは、大きな収穫であった。同書巻末には物語目録と呼びうる記載が大野広城によって施されており、その作成にあたっては友人である伴直方の手になる物語目録が重要な位置を占めていたことが奥書から知られる。すなわち、複数の物語目録が相互に関わりを持って作成されたこと、その作成と『風葉和歌集』の享受とが重なり合うものであったことが、同書によって証明されるわけである。 同書を含め、本年度ならびに昨年度収集資料を総合的に検討すると、特に近世後期においては、物語目録作成者たちが相互に強いつながりを持ち、ひとつのネットワークを形成していたこと、そのネットワークにおいて物語写本ならびに周辺資料と情報とを共有していたことが明らかとなった。物語写本ならびに『風葉和歌集』をはじめとする物語周辺資料、そして物語研究の成果としての物語目録は、それぞれに貴重な資料であるが、いずれも今日伝存する個々の本単独では旧蔵者たちのネットワークや関係性を十分に知り得ない。しかし、物語目録を中心に据え、その作成者たちが所持していた物語写本や『風葉和歌集』を重点的に取り上げて検討することにより、物語に強い関心を寄せていた人々のネットワークを浮かび上がらせることが可能となった。 この他、昨年度見出した資料のうち特に重要と思われる2点、ノートルダム清心女子大学蔵『海人の刈藻』および蓬左文庫蔵『雲隠六帖』について、周辺資料の調査を継続して行い、研究論文を発表した。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)