流域水循環モデルによる水資源リスク評価と流域管理に関する研究
Project/Area Number |
06J11748
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Irrigation, drainage and rural engineering/Rural planning
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
藤原 洋一 Research Institute for Humanity and Nature, 研究部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2007: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 温暖化 / 水資源 / 流出モデル / 洪水 / 渇水 / トルコ / 水文モデル / ダウンスケーリング |
Research Abstract |
トルコ・セイハン川流域を対象として、貯水池の操作ルールを変更した場合における治水・利水安全度をシミュレーションできる流域水循環モデルを構築した。さらに、温暖化やそれに伴う水利用増加が水資源システムに及ぼす負の影響を、貯水池の操作ルールの変更などといった温暖化適応策によって、どの程度弱めることができるのか検討した。 その結果、2070年代において、流域平均気温は2.0℃〜2.7℃上昇、年降水量は157mm〜182mm減少、蒸発散量は36mm〜39mm減少し、年流出量は157mm〜182mm減少することが分かった。さらに、水利用量が現状と同じであれば、将来における水資源利用可能量は大きく減少するにも関わらず、貯水池の信頼度は常に1(需要量を完全に供給可能)であり、深刻な水不足は生じない。一方、水利用が現在の1.525倍に増加した揚合は、将来における貯水池の信頼度は0.905〜0.957に低下し、10年に5〜8回水不足が生じることが示された。なお、最も有効な代替の貯水池ルールを適用した揚合においては、貯水池の信頼度は0.943〜0.980に改善され、10年に3〜6回の水不足に食い止められることが分かった。 ここで、アダナ市地点における現在の年最大流量は421.3(m^3/S)であるが、将来のそれは113.6〜156.3(m^3/s)と大きく減少し、自然に治水安全度は向上する。ところが、将来に備えて、水利用で最も有効な代替の貯水池ルールを用いた場合、現在における年最大流量は511.9(m^3/s)に増加し、治水安全度は大きく低下することが分かった。 すなわち、水利用が現状と変わらなければ、操作ルールの変更といった適応策を講じなくとも治水・利水安全度は低下しない。水利用量が増加した場合は、水文おぶび水利用状況に適した操作ルールに年々変更するという高度な水管理が要求されることが分かった。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)