Project/Area Number |
06J50182
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Neurochemistry/Neuropharmacology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桑原 知樹 東京大学, 大学院薬学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | シヌクレイン / 線虫 / パーキンソン病 |
Research Abstract |
パーキンソン病や一部の老年性認知症の脳内に出現する細胞内封入体Lewy小体は主としてα-synucleinにより構成され、またα-synucleinは優性遺伝性家族性パーキンソン病の病因遺伝子としても同定されている。従ってα-synucleinの細胞内蓄積が何らかの機序を介して神経細胞障害を引き起こすと考えられているが、その詳細については不明である。本研究では、過剰なα-synucleinによって引き起こされる分子機構をin vivoで明らかにすることを目的として、ヒトα-synucleinを神経系に過剰発現するトランスジェニック(Tg)線虫を作出し、α-synuclein神経障害性に関与する遺伝子群の網羅的探索を行った。具体的には、α-synuclein Tg線虫およびコントロール群線虫に対しゲノムワイドにRNAiを施し、両者で異なる表現型(成長遅延・運動機能障害など)を与える遺伝子のスクリーニングを試みた。 その結果、10種類の遺伝子のノックダウンを行った場合に、α-synuclein Tg線虫特異的に異常表現型が現れることが確かめられた。このうち4つはエンドサイトーシス関連遺伝子であり、特にその中の2つはクラスリン被覆小胞の回収に重要な役割を果たすアダプター蛋白質AP-2のサブユニットであった。従ってエンドサイトーシス機能の低下がα-synucleinの神経障害性を増強させると考えられ、α-synuclein神経障害性の作用点として新たにエンドサイトーシス阻害が関与することが示唆された。神経細胞におけるエンドサイトーシス機能の調節はパーキンソン病の新規治療薬開発にあたり重要な創薬ターゲットになる可能性がある。
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