多環芳香族炭化水素及びそのニトロ誘導体の大気内挙動
Project/Area Number |
06J50392
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Environmental pharmacy
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
楊 小陽 金沢大学, 自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 環日本海 / フッ素イオン / 多環芳香族炭化水素 / 長距離輸送 / 黄砂 |
Research Abstract |
1、研究目的 日本及び日本海を挟んで対岸に位置する中国,北朝鮮,韓国,ロシア及びそれに近隣する諸国は,大きな人口を抱え産業や経済が急速に発展しつつあり,著しい変革を遂げる地域である。それに伴って,この地域では様々な汚染物質が大量に,空気中に放出されている。中国大陸ではフッ素含有量が高い石炭の燃焼により、人体被害の報告が多い。このため、中国で発生したフッ化物が季節風に乗って、日本に到達する可能性がある。今回地元の発生源がなく、ほとんどアジア大陸からの僅かな影響を捕まることが期待された「輪島サンプリングステーション」で連続捕集した大気サンプルについて、水溶性フッ素イオンの長距離輸送の実態を明らかにした、さらに多環芳香族炭化水素(PAH)との相関も研究した。 2、研究方法 (1)サンプリング地点:能登半島輪島サンプリングステーション(旧環境省酸性雨輪島観測所) (2)サンプリング方法:ハイボリウムエアーサンプラーを設置し、大気浮遊粉塵を通年捕集する。 (3)抽出・精製方法:フィルターに捕集された粉じんは、有機溶媒によりPAH及びニトロ多環芳香族炭化水素(NPAH)を抽出し、Milli-Qによりで水溶性イオンを抽出した。 (4)分析方法:化学発光検出HPLCと蛍光検出HPLCにより、計21種のNPAHと14種のPAHを分析する。水溶性イオン成分は、イオンクロマトグラフィーで分析した。 3、研究結果 輪島サンプリングステーションではフッ素イオンを検出した。特に中国の暖房時期の間、高いフッ素イオン濃度が認められ、また、黄砂時期ではフッ素イオンの濃度が激しく上昇したことも分かった。さらに、PAHとフッ素イオンの相関を見たところ弱い相関しか認められなかった。これについては有機化合物としてのPAHの方が大気中の挙動はより複雑であること、また、輪島で観測されたフッ素イオンは暖房施設による人為的な起源だけではなく、中国乾燥地域の地質状況により黄砂自体にも含有していると考える。最後は後方流跡線解析により暖房時期では輪島ステーションに輸送されている大気は中国大陸を経由していることを確認した。以上の結果より、アジア大陸から発生した水溶性フッ素イオンが輪島への長距離輸送が認められた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)