Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
研究室では現在まで,最小自由度(2自由度)を持つ回転関節型柔軟指ハンドによる把持対象物の準静的操り動作,ならびに,動的安定把持・操り動作について議論を進めてきた.そこでは,半球形状柔軟指の変形において弾性エネルギーに極小値が存在するという知見を明らかにした.また,その知見に基づいて,対象物把持時の拘束付き極小値の概念(LMEEwC)を数学的かつ,物理的手法により見出し,ハンド制御則が従来のそれと比較して遥かに簡単に記述できることを明らかにした.その制御則には対象物との把持接触によって生じる力情報をもはや必要としない.本制御手法は,対象物の位置と姿勢がLMEEwCに沿って自然に,かつ,一意に決まるという力学的特徴に適したものになっている.しがしながら,この力学的特徴を逆の観点から見ると,LMEEwCに基づく解の一意性は制御系設計においては,欠点にもなり得る.なぜなら,フィードバック制御における各制御量の目標値に自由度がないということになる.つまり,LMEEwCを満たす一意解を前もって解析的に求めておいて,目標値に設定する必要がある.仮に,システムの運動方程式が本研究で導出しているような解析的計算が困難な非線形系であると,その目標値すら決定することができない.換言すると,目標値の組に自由度がない以上,代わって制御則にある種の自由度(遊び)を設ける必要がある. しかしながら一方で,提案した制御則は,力フィードフォーワードならびに力フィードバック信号は不要であり,両指関節角と対象物姿勢角のみを閉ループで返すことで,表現することが可能である.任意動作のシミュレーション結果を示すことで,本制御手法がエネルギー極小値を持つ柔軟指ハンドリングに最適であることを明らかにした.最後に,本制御手法は人指による把持操りタスクにおいても直感的理解されるものである.
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