大正期京都画壇における美人画様式の変遷に関する考察
Project/Area Number |
06J51122
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Aesthetics/Art history
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
田中 圭子 立命館大学, アートリサーチセンター, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2006: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 美術史 / 美学 / 美人画 / 京都 / 美術教育 |
Research Abstract |
本研究の目的は、大正期の美人画における女性表現の多様な在り方を把握し、京都を中心に流行した退廃的美人画の成立と展開を理解することにある。本年度は特に、明治から大正にかけての美術教育の変化が、学校派と呼ばれる大正期の美術学校出身の画家に与えた影響について考察を行った。 1.京都市立美術工芸学校・京都市立絵画専門学校におけるカリキュラムの変化と、卒業制作の画題の変遷について調査・分析を行い、草創期の東京美術学校と比較しながら考察を進めた。その成果を「京都画壇における美術教育の近代化に関する一考察」と題し、日本美術教育学会第55回学術研究大会(2006.7.)において報告を行った。発表では、京都の美術教育の独自性と、京都市立絵画専門学校の草創期における松本亦太郎・中井宗太郎の教育活動が大正期の画家たちの制作態度に大きな影響を与えていることを指摘した。日本美術教育学会にて発表した内容を踏まえた上で、新たに得られた知見を加え、「京都の美術学校における美術教育の近代化について」として『美術教育』No.290(日本美術教育学会、2007)に発表した。 2.これまでの研究をふまえ、京都市立絵画専門学校の初代校長であった心理学者・松本亦太郎の京都における美術批評家としての活動と、彼が画壇に与えた影響を分析した論稿「松本亦太郎と京都画壇」を神林恒道編『京の美学者たち』(晃洋書房 2006)に発表した。 3.退廃的な画風を特徴とする学校派の画家によって結成された研究会「密栗会」の活動に着目し、研究課題に関連する作例の写真資料・文献資料の収集、大正初期の学校派に関する雑誌・新聞記事の収集、遺族からの聞き取り調査などを行い、当時の画壇の状況や学校派の画家達の活動について検証を進めた。特に、岡本神草の画業の全体像を明らかにすべく、調査を進めている。なお、岡本神草と密栗会の活動については現在論文を準備中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)