Project/Area Number |
06J52292
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Politics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 俊輔 The University of Tokyo, 大学院・法学政治学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2007: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2006: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | EU / 通貨統合 / ヨーロッパ統合 / ドイツ政治 / ヨーロッパ化 / ドイツ |
Research Abstract |
本年度は研究員として最終年度ということであったので、東京大学の21世紀COEプログラム「先進国における《政策システム》の創出」のCOE付特別研究員として、EUにおける移民・難民政策の展開に関し、とりわけEUとドイツの相互作用に焦点を当てて、「ドイツのヨーロッパ化」、「ヨーロッパのドイツ化」ともいえる現象を研究した。その成果は、東京大学出版会から「統合か政府間協力か-移民・難民政策のダイナミズム」(平島健司編『国境を越える政策実験・EU』中の一章)として出版予定である。 これはそもそも、現在自分がEUと加盟国の相互作用に関し、とりわけ独仏を中心として研究を進めているためであり、移民・難民政策の展開はその中の一部として位置づけることができる。 EUのなかでは現在移民・難民を取り締まる制度が、テロを取り締まる警察システムと密接に結びつき、内務協力は外交政策と密接に接合されてきている。本稿はそのなかでドイツが如何にEUを利用し、その政策をEU大に制度化してきたのか、という観点を含んでいるのである。 他方で、通貨統合は、このような加盟国によるEUの利用の中で最も重大な事例として位置づけられる。というのも、これはフランス側から見れば、如何にドイッのマルクに基づく経済力をヨーロッパ大でコントロールするかという問題であり、如何に巨大なドイツの力を封じ込めるかという古典的な「ドイツ問題」の延長上で理解することが可能であるし、他方でこれはドイッ側から見れば、ドイツの力を如何にヨーロッパで制度化するかという問題であった。更にドイツ国内では、これを行うことによって、今度は後の一連の財政改革等にこの通貨統合の圧力が利用されたという経緯がある。 研究員であったこの2年を利用して準備してきた博士論文は、さすがにこの期間に間に合わせることができなかったが、以上のような国際政治上の外交と、国内政治の絡み合いを独・仏両国において提示することが目的である。
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