海藻脂質の抗肥満効果の解明と食品への応用に関する研究
Project/Area Number | 06J54022 |
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Fisheries chemistry
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Research Institution | Hokkaido University |
Research Fellow |
前多 隼人 Hokkaido University, 大学院・水産科学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed(Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost : ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007 : ¥900,000 (Direct Cost : ¥900,000)
Fiscal Year 2006 : ¥1,000,000 (Direct Cost : ¥1,000,000)
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Keywords | 肥満 / 糖尿病 / 海藻 / 脂肪細胞 |
Research Abstract |
ワカメに含まれるカロテノイドの一種であるフコキサンチン(Fc)の脂質代謝及び糖代謝改善作用について検討を行った。 Fcは脂肪細胞においてUCP1蛋白質の発現を亢進させ、脂肪重量を減少させる。UCP1蛋白質の発現調節機構を明らかにするため、Fcを投与した糖尿病肥満モデルマウス(KK-Ayマウス)の脂肪組織での約4000個の脂質代謝関連遺伝子の発現量変化を、DNAマイクロアレイ法により調べた。その結果、脂肪細胞の膜状に存在するβ3アドレナリンレセプター(Adrb3)の発現量がFc投与群で上昇していた。更にRT-PCR法による検討でもAdrb3 mRNAの発現上昇が確認された。Adrb3に対する刺激はUCP1蛋白質による脂質代謝の促進、及びUCP1蛋白質の発現調整に関わる。このことからFcは脂肪細胞でのAdrb3の発現量を高めることにより、Adrb3に対する刺激の感受性を高め、UCP1蛋白質の発現亢進作用を示すことが示唆された(投稿準備中)。 更にFcによる抗糖尿病効果について詳細な検討を行った。KK-Ayマウスに対してFcを投与した。その結果、Fc投与群では血糖値が正常マウス(ICRマウス)の値にまで改善した。又糖負荷試験を行った結果、Fc投与群では有意な糖代謝能の改善が認められた。更にFc投与群では白色脂肪組織中のTNFα mRNA発現量が正常マウスの値まで改善されていた(投稿準備中)。このことからFcは脂肪細胞から分泌されるインスリン抵抗性惹起に関わるアディポサイトカインであるTNFαの分泌量を正常な状態にすることにより,抗糖尿病作用を示すことが明らかとなった。 本年度の研究よりFc摂取による脂肪細胞でのUCP1蛋白質の発現調整機構を明らかにした。又、Fcは脂肪細胞に働きかけ、脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカインの分泌量を調節し、インスリン抵抗性を改善することが示された。
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Report
(2results)
Research Products
(8results)