シロイヌナズナ懸濁培養細胞の低温馴化による凍結耐性誘導機構
Project/Area Number |
06J54032
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
植物生理・分子
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
佐々木 裕 Iwate University, 連合農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2006 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2007: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 低温馴化 / シロイヌナズナT87懸濁培養細胞 / 凍結耐性 / 細胞周期 / 低温誘導性遺伝子 / 細胞内アブシジン酸含量 / 成長段階 / シロイヌナズナ懸濁培養細胞 / アブシジン酸 |
Research Abstract |
これまでシロイヌナズナ植物体を用いた研究から、低温馴化による凍結耐性付与の研究が進んでいる。しかし、植物体を用いた研究では異なった組織間及び細胞間での相互作用が低温馴化機構を複雑化し、その素過程を観察することが困難な場合が多く存在する。そこで、本研究ではシロイヌナズナT87懸濁培養細胞を用いることで、これらの複雑性を取り除いた培養細胞レベルでの低温馴化機構を解析している。これまでの解析から、本培養細胞における低温馴化による凍結耐性の増大や生理的変化は誘導期の細胞でのみ観察され、成長段階の違いにより低温馴化機構が異なることが明らかとなっている。さらに、本年度の研究から凍結耐性の増大する誘導期の細胞では細胞周期が盛んに進行していることが明らかとなり、細胞周期の進行と低温馴化機構との間の関係が示唆された。そこで、同細胞を用いて細胞周期の同調化の系を確立し、細胞周期に依存した低温応答機構を解析した。解析の結果、低温誘導性遺伝子の発現はG2/M期に比べS及びG1期の細胞で高発現すること、低温処理による細胞内アブシジン酸含量の増大はG1期の細胞で起こることが分かった。これらの変化と相関して、低温処理による凍結耐性の増大もS及びG1期の細胞で起こることが分かった。以上、本研究かち細胞周期に依存した低温馴化機構の存在を明らかにした。細胞周期による低温応答機構の制御は様々な異なった細胞を有する植物体では微小な変化となってしまい解明が困難であったが、細胞レベルの解析を行うことで低温馴化機構に重要となる新たな現象を明らかにした。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)