人間との共存をめざした絶滅危惧・希少動物の種保存に関する分子・集団遺伝学的研究
Project/Area Number |
07263203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
増田 隆一 北海道大学, 理学部, 助手 (80192748)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 遺伝的多様性 / 保全生物学 / 絶滅危惧種 / 分子系統学 / 集団遺伝学 / 生物進化 / イリオモテヤマネコ / ツシマヤマネコ |
Research Abstract |
本年度は本研究の第1ステップとして、イリオモテヤマネコ、ツシマヤマネコ、エゾシカの進化遺伝学的分析を中心に行い、保護管理しようとしている動物種が進化上どのような位置にあるのかを理解することに努めた。 (1)イリオモテヤマネコ、ツシマヤマネコについて、各々の集団内におけるミトコンドリアDNA遺伝子(チトクロームb,12SrRNA)の個体変異はみられなかった。ネコ科全体の中で、両ヤマネコは、アジア大陸に広く分布するベンガルヤマネコと極めて近縁であることが明らかとなった。遺伝距離から算出した分岐年代は、イリオモテ-ベンガルヤマネコ間が約20万年前、ツシマ-ベンガルヤマネコ間が約10万年前であり、これらの年代は各々、南西諸島、対馬がアジア大陸から分かれた地質学的年代とほぼ一致した。この結果は、日本産の両ヤマネコの祖先が大陸産ベンガルヤマネコから地理的に隔離された集団であり、各々、島内において独自の進化を遂げながらもいまだに遺伝的に近縁であることを示している。また、両ヤマネコの個体数は各々100頭前後に減少しており、遺伝的にも集団内多様性の低下が示唆された。今後は、個体識別のできるような遺伝子マーカーを開発し、ヤマネコ集団内の変異を詳細に把握していく計画である。 (2)ミトコンドリアDNAにおいて最も変異の大きいD-ループ領域を調べたところ、エゾシカ集団の各個体を4つのタイプに分けることができた。その中で、1つのタイプが北海道の広域に分布していた。このような遺伝子タイプの偏りは、エゾシカ集団が明治時代の大雪と乱獲により個体数が極端に減少し(ボトルネック現象)、ごく最近になって急増したという記録を反映していると思われる。今後、さらに調査個体数と調査地域を拡大し、北海道全域におけるエゾシカの遺伝的特性と個体群の移動経路を分析していく計画である。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)