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¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
滑らかな境界を持つ強擬凸領域において,ベルグマン核と局所双正則不変なゼゲ-核の漸近展開を考え,それらを再生核の漸近解析として統一的に捉えようと試みた.双正則不変性を考慮に入れなければ,ソボレフ空間に属する正則函数の空間に付随する再生核として,ソボレフ-ベルグマン核が定義される.他方,ベルグマン核と不変なゼゲ-核を超局所化したものは,超局所ソボレフ-ベルグマン核に一般化される.従って,これを超局所化とする双正則不変なソボレフ-ベルグマン核を大域的に定義して,その漸近展開の性質を調べることがまず第一の問題となる.次に第二の問題は,この漸近展開を通してベルグマン核と不変なゼゲ-核の特異性を統一的に理解することである. 当研究において,上記の二つの問題について幾つかのことがわかった.まず第一の問題については,負の次数のソボレフ-ベルグマン核で近似的に双正則不変なものを大域的に定義する方法がわかった.これはベルグマン核やゼゲ-核と同様の漸近展開をもつと思われるが,そのことを特別な場合に粗く検証した.第二の問題には,複素モンジュ・アンペ-ル境界値問題の漸近解の構造が深くかかわっていると思われる.従来の研究では,この漸近解の具体的な計算において,ベルグマン核と不変なゼゲ-核の具体的な計算結果を援用していた.当研究においては,この漸近解のモーザーの標準形の係数へのパラメーター依存性について,精度を上げていくためのアルゴリズムを得た.これにより漸近解の具体的な計算が直接に出来るようになったが,このことは今後の研究において大きな助けになると期待できる. また,上記の問題に関連して,解析学の諸問題,特に非線形偏微分方程式の問題について,幾つかの成果を得た。
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