Research Abstract |
1.バナッハ空間の「von Neumann-Jordan定数」(以下「NJ-定数」と略記)について、特に「NJ-定数」の与える情報に関してはvon Neumann-Jordanの古典的な結果を除けば皆無であった。本研究では,Banach空間の一様凸性,uniform non-squareness等の幾何学的な性質,またsuper-reflexivity,(Rademacher)type,cotype等が「NJ-定数」で記述されることを示した(Proc.Amer.Math.Soc.京都大学数理解析研究所講究録;発表予定)。また「uniform non-squarenessに関する一連の特徴づけ」を与えたが,この結果は良く知られた「一様凸性のHomogeneousな特徴づけ」と類似のそれを含む(Preprint)。 2.加藤・高橋は「Clarkson(型)不等式を満たすBanach空間」を「type或いはcotype定数が1の空間」として特徴づけ(Math.Nachr.;発表予定),その応用として「ランダムClarkson不等式」を大幅に改良(Hiroshima Math.J.;発表予定)したが,さらにこの不等式を満たすBanach空間を「type p」として特徴づけ,「ランダムClarkson不等式」そのものの意味合いを明らかにした(Preprint)。 また,TongeがランダムClarkson不等式を与える契機となった「一般Clarkson不等式」をLebesgue-Bochner空間に対して考察し,従来の結果を包含するより包括的な結果を得た(Bull.Kyushu Inst.Tech.Math.Natur.Sci.43(1996),15-25)。 3.以上の成果の一部を秋春の数学会,数理解析研究所研究集会,実解析セミナー,第4回関数空間セミナー等で発表した。
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