Hyper-Rayleigh散乱を用いた工学機能高分子の溶液中の分子超分極率
Project/Area Number |
07651091
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子構造・物性(含繊維)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松田 實 東北大学, 反応化学研究所, 教授 (90006297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 明 東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (40182901)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 分子超分極率 / Hyper-Rayleigh散乱 |
Research Abstract |
Hyper-Rayleigh散乱法(HRS法)は,高次のRayleigh散乱光を用いた溶液中の分子超分極率の決定法として近年開発された新しい測定法であり,実験的及び理論的な検討が求められていた。本研究では,種々の有機非線形工学(NLO)材料に関して,HRS法を用いた分子超分極率βの測定を行い,従来のDC-SHG法による測定値との比較を行った。さらに,分子軌道法による分子超分極率の計算を行い、その値とHRS法によって得られた実験値との比較検討を行った。HRS法は溶液中の分子の高次のRayleigh散乱光から分子超分極率βを決定する方法であるため,パラニトロアニリン(pNA)の分子超分極率βには顕著な溶媒効果が観測された。このような溶媒効果は,Reaction-Fieldモデルを用いることにより説明できた。さらに,pNAの分子超分極率βを基準として,種々の溶媒のβを算出することが出来た。HRS法により決定されたβと従来のDC-SHG法によるβとの間には,良好な相関が認められた。さらに,HRS法にるβと反経験的分子軌道法(AM1)による計算値の間にも良好な相関が見られ,これより分子軌道法による計算値から実際のβを算出する経験式を得ることができた。HRS法は従来のDC-SHG法とは異なり,イオン性の分子のβをも決定できる利点を有している。アミノ基とスルフォニル基を有したナフタレン化合物やビリジン環にアミノ基とニトロ基のついた化合物のβをHRS法により求めたところ,顕著な溶媒依存性が観測された。これらの結果は,プッシュープルタイプのNLO化合物においては,イオン性基の解離度の影響や水素結合等の溶媒との相互作用がそのβに大きな影響を与えることを示唆している。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)