冠微小動脈調節におけるGTP結合蛋白によるATP感受性カリウムチャネルの制御
Project/Area Number |
07670745
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小丸 達也 東北大学, 医学部, 助手 (30261530)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | G蛋白 / 冠微小循環 / in vivo / 内皮依存性血管拡張 / nitric oxide / ATP感受性カリウムチャネル / mastoparan / gliben clamide |
Research Abstract |
百日咳毒素感受性G蛋白の直接刺激によるイヌ(30頭)の冠動脈微小血管の反応を浮動型対物レンズを用いてin vivoで観察した。Gi/Go蛋白の特異的刺激薬であるmastoparanを局所投与(superfusion)し微小血管の内径変化を検討した。100μMのmastoparanは投与5分後に微小血管の拡張をもたらし、その後次第に血管径が減少し、投与30分後には投与前の値に復した。この結果をふまえ以下の実験ではmastoparanの反応のデータを投与5分後に収集した。mastoparanは用量依存性に全てのサイズの冠微小動脈を拡張せしめた(平均血管径132±12μm,10μM:6.7±1.2%,30μM:10.1±1.7%,100μM:16.1±2.9%)。この拡張は300ng/mlの百日咳毒素を120分間前投与すると完全に消失し、mastoparanによる血管拡張がGiもしくはGo蛋白の特異的な活性化によって司られていることが示された。内皮依存性血管拡張物質nitric oxideの産生抑制物質であるN^ω-nitro-L-arginine(LNNA:300μM,20分間)の前投与は、内径が130μmより大きい太い微小血管(LA)においてmastoparanによる拡張を抑制したのに対し、内径130μm以下の細い冠微小動脈(SA)においてはこの拡張を抑制しなかった。Glibenclamide(ATP感受性カリウムチャネル阻害薬:10μM)をLNNAとともに20分間投与するとmastoparanによる冠微小血管拡張はSAにおいてもLAにおいても消失した。 以上より、冠微小動脈においては、Go/Gi蛋白の直接刺激は全てのサイズの冠微小動脈に血管拡張をもたらすが、そのメカニズムは血管径に依存している。すなわち太い微小血管での拡張は内皮由来のnitric oxideの遊離によって招来されるのに対し、細い微小血管においては血管平滑筋のATP-sensitive potassium channelの活性化によってもたらされる。本研究は、微小血管においてGo/Gi蛋白とATP感受性カリウムチャネルが共役していることをはじめて示した。
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Report
(1 results)
Research Products
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