血小板膜糖蛋白GPIb/IX/V複合体の分子異常症の遺伝子解析
Project/Area Number |
07671227
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
山本 正雅 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 循環器病研究部門, 研究員 (50150884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤松 紀子 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 循環器病研究部門, 研究員 (30124431)
新井 盛夫 東京医科大学, 臨床病理学教室, 助教授 (00212605)
田上 憲次郎 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 循環器病研究部門, 研究員 (30014137)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | Bernard-Soulier症候群 / GPIb / IX / V複合体 / 遺伝子解析 / 血小板 / 膜糖蛋白 / 分子異常症 / 受容体 / フォンヴィレブラント因子 |
Research Abstract |
血小板膜糖蛋白GPIb/IX/V複合体は血中の粘着蛋白であるフォンヴィレブラント因子(vWf)の受容体として、止血に重要な役割をしている。この蛋白の欠損または分子異常症はBernard-Soulier症候群(BSS)として知られ、血小板は巨大型を示し、著名な出血症状を呈する極めて稀な病気である。この受容体はGPIb、GPIX、GPVの3つの糖蛋白が非共有結合をした複合体で、機能異常は3つの膜糖蛋白のどれかに分子異常があり複合体の発現低下を来したり、あるいは発現した蛋白の機能ドメインに変異があることに起因する。我々は4家系5症例のBSSを調べ、そのうちの1家系(BSSTokyo)はGPIbaに停止コドンを誘導する複合ヘテロ接合体の変異をもつs症例であた。変異は父親由来のGlu^<331>→Stopと母親由来のThr^<465>(ACC)のアデニンの欠出であった。後者のアデニン欠出はそれに続く58個のアミノ酸が置換し、59番目に停止コドンが出現する変異であった。本症例をBSS Tokyoと命名し第37回アメリカ血液学会(ASH)にて報告した。 BSSのYファミリーはGPIXの遺伝子にTrp^<126>→Stopのある症例である。GPIbaの発現は殆ど認められないことから、GPIbaの発現はGPIXの発現にかなり依存していると考えられる。しかし、BSS Tokyoでは、GPIbaの発現が完全になくとも、GPIXの発現が認められることから、GPIXの発現はGPIbaにそれほど影響されていないようである。また、田上らが1973年に発現したT-ファミリーの遺伝子分析では、GPIbaのleucine rich repeatsの構造維持に大切なLeu^<126>に変異(Leu^<126>→Pro)が認められた。これにより、GPIb/IX/V複合体の蛋白の発現は正常であるが、GPIbaのmutation近傍のエピトープを認識したモノクローナル抗体TM60、GS70などの結合が欠損するGPIbaが発現されていると考えられた。このように、BSSのGPIb/IX/V複合体の発現は多様で複雑である。これをさらに解析すれば、複合体の発現の機序とGPIb/IX/V複合体の機能がさらに明らかになるものと期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)