虚血性神経細胞壊死における一酸化窒素合成酵素含有細胞の関与
Project/Area Number |
07671535
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cerebral neurosurgery
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
平松 謙一郎 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (40192299)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | hippacampus / septum / Nitric oxide / hypoxia / ischewia / tolerance |
Research Abstract |
成熟砂ネズミを全身麻酔の下に頸部より両側頸動脈を露出し閉塞した.動物をそれぞれ20匹づつの3グループに分け閉塞時間を1,3,5分間とした.また別に15匹の動物をshamグループとした.それぞれのグループより5匹づつを1,2,3,4日後に経心的潅流固定を行い,脳を取り出し,後固定後,凍結保存した.Shamグループに関しては処置4日後に脳を取り出した.凍結脳より中隔野と海馬を中心とする20μm切片を作成し,中隔野切片はNADPH diaphorase染色により一酸化窒素合成酵素(NOS)活性細胞の数を,海馬切片はcresyl violet染色により海馬CA1 sectorの錐体細胞の数を算定した.結果,1分間の頸動脈閉塞にては対角帯,海馬いずれの部位でも細胞数減少は観察されず細胞障害は起こっていないと考えられた.3分間閉塞にては対角帯NOS陽性細胞は処置後1日目より半減し,4日目には18%にまで減少した.それに比し海馬CA1錐体細胞は4日目にやや減少傾向はみられたものの、1、2、3、4日を通じて有意な減少は認められなかった.5分間閉塞では対角帯NOS陽性細胞は3分間閉塞群とほぼ同様の経過となり,最終4日目では6%にまで減少した.海馬CA1錐体細胞は過去の報告と同様3日目より急速に脱落し,4日目には3%にまで減少した.対角帯NOS陽性細胞の観察では1分間の閉塞で何等変化が起こらなかったのであるが,3分間閉塞にては1日目から半減し,最終4日目には18%にまで減少している.3分間頸動脈閉塞を加えても海馬神経細胞は生存し得る.すなわち,中隔野対角帯より発したNOS含有線維が遮断されるため虚血耐性現象が発現すると考えられる.以上より,虚血耐性現象において一酸化窒素は重要な因子であることが推察された.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)