Project/Area Number |
07710079
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教育・社会系心理学
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
藤村 宣之 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (20270861)
|
Project Period (FY) |
1995
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 数学的概念 / 理解促進 / コンピューター / 児童 / 内包量 / 濃度 / 比較的推理 / 既有知識 |
Research Abstract |
本研究では、子どもにとって理解の難しい数学的概念である内包量(濃度、速度などの2量の商で表される量)や比例について、コンピューターを用いて具体物の操作場面を図的に呈示し、画面上で操作を行わせることにより、それらの概念に関する理解を促進することが可能かどうかについて検討を行った。 内包量のなかでも、濃度は特に理解の難しい内容である。本研究では、ノート型パーソナルコンピューターの画面上でジュースの混合場面を呈示したうえで子どもに比例的推理を行わせ、その結果を画面上にフィードバックすることにより、濃度の理解を促進することをめざした。 そこで、小学校3年生33名に対して、(1)ジュースの濃度に関する比較課題(事前テスト)→(2)コンピューターを利用した、濃度の比例的推理と結果のフィードバック→(3)ジュースの濃度に関する比較課題(事後テスト)の順に課題を実施した。その結果、学年全体として、事前テストと事後テストの間で正答数に有意な上昇がみられ、コンピューターを利用うした比例的推理りによる内包量理解促進の効果が認められた。しかしながら、個々の児童について促進の幅を検討すると、促進の効果は事前テストにおける理解の段階や他の既有知識のレベルによって異なっており、倍数関係の理解等の成立がコンピュータを用いた理解促進の前提となることが示唆された。以上の結果については、日本教育心理学会第39回大会(1997年10月)において発表予定である。 また、速度の理解については、別の小学校3年生32名に対して速度・濃度・密度の各比較課題を実施し、速度の理解は濃度に比べて若干、容易であることが認められた。事例研究を通じて、コンピューターの利用による促進効果が速度の理解についても確認されつつあり、領域差等も含めた促進効果の体系的検討を計画中である。
|