Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
資料の収集および分析は続行中であるが,ここまでの分析と結果について報告する。本研究では,まず,ホームドラマを中心とした文献や既存の調査の収集をおこない,特にアメリカの番組との関係と,映画におけるホームドラマとの比較を検討した。また,新聞記事の投稿欄と『主婦の友』の記事を複写・整理し分析を行っている。その結果,以下のような基本的事実が明らかとなった。 日本におけるアメリカのテレビ番組は,1960年代前半は隆盛であったが,1964年を頂点として減少し,1980〜1982年のゴールデンタイムの番組はほとんど国産番組であった。国際的にみても,日本のテレビ文化は極端に内閉的状況にあり,また,輸入番組の多数はスリラ-・アクションものである。したがって,1960年代後半からのホームドラマやメロドラマは,国内の特殊な需要におうじて展開していったものと思われる。 テレビのホームドラマをそれ以前の映画における内容と比較すると,1970年代のテレビ調査では,テーマ的には,1950年代からの映画におけるホームドラマとほとんど変わらないが,テレビ時代のホームドラマ・メロドラマでは,職業をもっている女性がより多く描かれた。この有職率は,当時の実際の女性の有職率より高く,離死別者や独身者の登場が多いことが一因となっている。視聴率よりも,受けとめられ方・好まれ方に,世代による差が出ている。このことから,テレビにおけるホームドラマは,常識以上に女性が職業をもつことを好意的に描いていたこと,また関わり方の世代差が予想され,女性の世代別の受容分析が重要であることが判明した。記事分析は現在続行中である。
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