Project/Area Number |
07740570
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
分離・精製・検出法
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
宇都 正幸 北見工業大学, 地域共同研究センター, 助教授 (10201956)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 二分子膜 / 表面電荷 / 化学センサー / 脂質 / 銅 / 1-ニトロソ-2-ナフトール |
Research Abstract |
脂質二分子膜を構成する脂質は両親媒性物質であり、電荷を持ったイオン性部分とアルキル鎖からなっている。従って、膜を構成する脂質の種類を選択することで膜表面電荷を制御することができ、それによって本感応膜の物質認識能を制御できることが期待できる。 本研究では、両性イオン性のフォスファチジルコリン(PC)に陰イオン性のフォスファチジルセリン(PS)あるいは陽イオン性のDC-3-12L(相互薬工社製)(DC)を混入した膜を形成し、1-ニトロソ-2-ナフトール(NN)と銅イオンとの錯形成をモデルに、銅イオンに対する膜イオン透過性の変化を観測した。 PSとPCとの混合比をPS:PC=2:1あるいは1:2としてNNを包埋した膜を形成し、銅イオン濃度に対する応答を観測すると、PSの混合比が高くなるにつれて抑制される結果となった。また、DCをPCとの混合比がDC:PC=1:9とした膜の応答はPSの場合とは逆に応答が増大するものであった。これらの結果から、膜の表面電荷によって物質認識能を制御することができることが明らかである。また、これまでの実験結果からも応答に寄与する化学種は負電荷を持つ銅/塩化物錯体であることを明らかにしている。したがって、PSの場合は電荷の反発による抑制が、DCの場合は静電的な引力による増感が生じたものと考えられる。 膜の表面電荷を構成脂質の選択により容易に変えられることも脂質膜の特徴であり、化学センサー感応膜としてとらえたときに、感応素子の選択性に加えて膜の表面電荷による選択性の改善を期待できることが明らかとなった。 これらの結果については、1995環太平洋国際化学会議において報告した。
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