Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Research Abstract |
本研究では、スラッシュ相の生成過程における伝熱特性,さらに生成される氷の特徴を解明するため,次の実験的研究を行った.試験容器内に,水と水より重い非水溶性の冷媒を入れ,冷媒を循環させる.冷媒は外部で熱交換され-10℃に冷やされ,容器底面から噴流として容器内に流入する.容器内部の冷媒と水は,噴流により攪拌され除熱され,温度が低下する.水温は一度-2℃程度の過冷状態を示した後,氷晶が発生し0℃となる.この後は,水温は0℃を維持し,氷の量が増加する. この時の熱伝達率を,氷が発生するまでは水温の変化から,また,氷が発生した後は,容器内にヒ-タを入れ氷を融解するのに必要な熱量を測ることで氷の量を測定し求めた.この結果,噴流の熱伝達率は,通常の平板への衝突噴流熱伝達による値より大きく,噴流が水の内部へ進入して伝熱面積が増加する事を示していた.また,氷が発生すると熱伝達率が氷の発生前より約2倍に上昇し,氷の量が増加するに連れて熱伝達率が低下することが分かった. 発生する氷については,高倍率のCCDカメラを通して観察した結果,噴流部で直接水が低温の冷媒に接触して発生するのは1mm以下の径の扁平な氷であり,生成時に持っていた突起や六角形構造は,0℃の水中ですぐに無くなり,曲率の小さい構造となること,水と冷媒が接触している界面には先端部が樹枝状の薄い氷が連続的に生成することが分かった.また,発生する氷の形状を定量的に評価するためフラクタル次元の概念を使用し,過冷度が増加すると,氷晶の複雑さが増加し,フラクタル次元が増すことが示された.
|