網内系寄生性原虫のエスケープ・感染防御に係わる熱ショック蛋白質の機能と発現機序
Project/Area Number |
07770183
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
寄生虫学(含医用動物学)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
久枝 一 徳島大学, 医学部, 助手 (50243689)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1995: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 熱ショック蛋白質 / トキソプラズマ原虫 / 感染防御免疫 |
Research Abstract |
トキソプラズマの実験系におけるHSP65の発現機序の解明 1.感染抵抗性、特に感染初期においてはγδT細胞がHSP65の発現に寄与し、そのことで宿主防御に重要な役割を果たしていることを報告した。また、ヌードマウスなどを用い、γδT細胞の中でも胸線外由来の細胞の抵抗性への貢献も明らかににした。 2.γδT細胞はガンマーインターフェロン、腫瘍壊死因子などのサイトカインを分泌し、これを介してマクロファージにHSP65の発現を促す。また、抗原虫作用をもつ一酸化窒素などの化合物はこの発現には無関係であった。 3.発現したHSP65の役割としては、その発現が抑制されるγδT細胞除去マウスでは、トキソプラズマ原虫の感染によるマクロファージの細胞死が起こりやすく、HSP65が細胞死を抑制している可能性が示唆された。 リーシュマニア、トリパノソーマの実験系におけるHSP65の関係 1.リーシュマニア感染では感染抵抗性マウスでは感受性マウスに比べ、HSP65の発現が強かった。同様の結果がトリパノソーマ感染においても得られた。このことから、これらの原虫についても感染抵抗性とHSP65の発現には何らかの相関性があることが示唆された。 2.リーシュマニア感染ではマウス胎仔胸線をスキッドマウスに移植しT細胞系のみを再建した系で、HSP65の発現にはT細胞が重要であることが明らかになった。この場合はトキソプラズマの場合とは異なりαβT細胞が必須であることが示された。 以上のように異なった原虫感染でHSP65の関与が示され、その発現がトキソプラズマではγδT細胞、リーシュマニアではαβT細胞と、いずれも宿主防御に重要とされるT細胞サブセットが必要であることが明らかとなり、この蛋白質が細胞内原虫感染に対する防御機構の根幹をなす重要なものであることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)