Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Research Abstract |
1.ヒトUDP-GalNAc:polypeptideN-アセチルガラクトサミン転移酵素(以下GalNAc transferaseと略す)のcDNA全配列の解明:既報のbovine GalNAc transferaseのcDNA配列をもとにRT-PCR法によりヒトGalNAc transferasの部分cDNA(897bp)を得た。さらに、cDNA全長のクローニングを行っていたところ、ClausenらによりヒトGalNAc transferaseの2つのisozyme (T1,T2)の全cDNA配列が報告された(J Biol Chem 1995;270:24156)。我々のクローニングしたGalNAc transferaseはClausenらのT1に相当し、またcDNA配列も100%同じであった。 2.T1-GalNAc transferaseに対するモノクローナル抗体の作製:T1-GalNAc transferaseのcDNA配列を基にペプタイドを合成し(23アミノ酸残基)、このペプタイドに対するマウスモノクローナル抗体(GNT-1,IgM)を作製した。 3.消化器癌培養細胞におけるT1-GalNAc transferase蛋白発現の検討:GNT-1を用い、培養癌細胞(胃癌;HTB135,大腸癌;HT29,膵癌;PANC-1,BxPC3)における同酵素蛋白の発現をWestern immunoblot法により検討した。その結果、HT29およびBxPC3において71,72,78kDのmoleculeに反応を認めたのに対し(HT29では71,72kD、BkPC3では78kDに強い反応)、HTB135およびPANC-1では反応が認められず、T1-GalNAc transferaseの蛋白発現は臓器間、および腫瘍間で異なることが示された。これは癌細胞における糖鎖構造の変異が糖転移酵素の量的相違による可能性を示唆するものであり、現在、各種癌組織において同酵素蛋白の発現を免疫組織学的に検討中である。 4.免疫電子顕微鏡によるT1-GalNAc transferase蛋白の細胞内局在の検討:GNT-1を用いた免疫電子顕微鏡により、ヒト正常顎下腺腺房細胞および膵癌培養細胞(BxPC3)において細胞質内に酵素反応物のdiffuseな分布を認めた。現在、金コロイドを用いた方法により再確認中である。
|