Project/Area Number |
07770400
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
浦島 左千夫 金沢医科大学, 医学部, 助手 (10193963)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1995: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | アルコール性肝障害 / 伊東細胞 / α-平滑筋アクチン / epimorphin |
Research Abstract |
アルコール(AL)性肝障害での特有の線維化には、細胞外基質を産生する伊東細胞が重要な役割を演じていると考えられており、活性化伊東細胞ではα-平滑筋アクチン(α-smA)が認められるようになることも明らかにされている。そこで、AL性および非AL性肝障害患者の生検肝組織について、α-smAの免疫組織学的染色を行い、両群での活性化伊東細胞の数および質的変化について比較検討した。対象および方法:AL性肝線維症(AL-F)21例と肝硬変(AL-LC)9例および非AL性の慢性肝炎(CH)19例とLC4例を対象とし、入院時(禁酒直後)に生検により得られた肝組織を用いた。また、AL-Fの7例とAL-LCの9例については、禁酒後4-10週後に再度肝生検を施行し、同様に検討した。免疫組織学的染色はパラフィン包埋肝組織切片について、モノクローナル抗体を反応させた後、Streptavidin-Biotin法による酵素抗体法を施行した。成績:α-smAはAL-F症例の中心静脈周囲と小葉内の類洞壁に伸びた線維に一致して染色され、線維化の進展に伴って染色性は強くなった。一方、非AL性CHでは、門脈域周囲とそこから伸びる線維に沿って、特に進展する線維の先端部に陽性所見が認められたが、その染色性は、AL性と比べると明らかに弱かった。AL-LCでは線維性隔壁の他に、小葉内にも強く認められたが、非AL性のLCでは小葉内での染色性はほとんど認められなかった。α-smA陽性細胞数についてみると、AL-Fでは線維化の早期より、非AL性CHよりも有意に多く認められた。LCでもAL性での小葉内の陽性数は非AL性と比べ明らかに増加していた。さらに、AL性肝障害で禁酒直後と禁酒4-10週後とを比べると、AL-FとLCのいずれにおいても、α-smA陽性細胞数は明らかに減少していた。なお、抗epimorphin抗体による検討も企図したのであるが、現在多くのhybridomaから、最も抗体活性が高く、免疫組織化学の検討に適したモノクローナル抗体を作製中である。結語:以上のごとく、AL性肝障害では伊東細胞の活性化が惹起されており、特有な線維形成に関与していると考えられた。また、活性化の機序は禁酒により比較的短期間で消失することが示唆された。
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