術前担癌患者インスリン抵抗性の発現に及ぼすIL-6,TNF-αの関与
Project/Area Number |
07770942
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General surgery
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
牧野 達郎 横浜市立大学, 医学部, 助手 (40254205)
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Project Period (FY) |
1995
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1995)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1995: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 担癌 / インスリン抵抗性 / IL-6 / INF-α |
Research Abstract |
【目的】近年、サイトカインのひとつであるIL-6、TNF-αが、癌悪液質の発症に関連していることを示唆する研究結果が報告されている。また我々はいままで担癌患者において、インスリン抵抗性の認められることを報告してきた。そこで本研究では、担癌患者において認められるインスリン抵抗性に、IL-6、TNF-αの関与が認められるか否かを検討した。 【対象及び方法】担癌患者23例(食道癌1例、胃癌12例、大腸癌4例、肺癌6例)を対象とした。なお健常volunteer6名を対照群とした。血清中のIL-6、TNF-α値は、それぞれの抗ヒトモノクローナル抗体を用いELISA法にて測定した。インスリン抵抗性の評価には、人工膵臓を使用したDeFronzoらの方法によるeuglycemic hyperinsulinemic glucose clamp法(インスリン濃度;100μU/ml)を用いて実施し、末梢組織の糖の取り込み量;M値(mg/kg/min)を算出し、インスリン感受性とした。 【結果】患者血中のIL-6の出現(3pg/ml以上)は23例中8例(34.8%)であったが、健常群は全例測定限界以下であった。TNF-αは担癌群、健常群とも全例測定限界以下であった。担癌群におけるM値の平均は5.54±1.65mg/kg/minで対照群の8.36±0.80mg/kg/minに比し有意(p<0.001)に減少していた。M値とIL-6値との間にはr=-0.62,p=0.003と有意な負の相関関係が認められた。 【まとめ】1.担癌患者においてインスリン抵抗性を認めた。2.担癌患者23例中8例の血中にIL-6の存在がみられたが、TNF-αは全例測定限界以下であった。3.インスリン感受性とIL-6との間には、有意な負の相関関係が認められた。 【結語】IL-6がインスリン抵抗性において重要な役割を果たしている可能性があると考えられた。
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Research Products
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